第43話 プロキオン星系人の行方

【取り調べ記録】

俺「メガデカーAの隔離空間にずっと隠れていたのか?」

アヌビス・イヌビス「休止状態で眠っていた。」

俺「待ってくれ。順を追って、時系列で説明してくれ。」

ア「最初。宇宙海賊バイパーの侵攻を受け我々プロキオン星系は壊滅した。」

俺「それは地球時間で言うと何年前?」

【聞き取り結果・年表】

400年前…宇宙海賊バイパー、地球周辺に進出。

40年前…宇宙海賊バイパーによる本格的な浸透作戦開始。

20年前…宇宙海賊バイパーによる侵攻。

こいぬ座プロキオン星系壊滅。

エリダヌス座イプシロン星系壊滅。

両星系の避難民は亜空間に退避。

銀河刑事ギルド両星系支部は母星奪還のため「地球作戦」開始。

地球支部長および地球支部員を秘密裏に選出し、亜空間内に地球支部の戦力となる各種兵器を準備開始。地球支部員の要望通りに各種兵器を作成開始した。

19年前…プロキオン星系ジョン支部長殉職。

ジョン支部長のパートナーであるアヌビス・イヌビスが地球支部長用のロボット「メガデカーA」内で眠る。

両星系が完全に宇宙海賊バイパーの支配下となる。

宇宙海賊バイパーによる地球への浸透作戦開始。

1年前…地球支部長のパートナーであるヒューマノイド・レディーがアヌビス・イヌビスを再起動させる。

1ヶ月前…メガデカーA、亜空間から地球に出現。地球支部長の自宅を破壊。

【取り調べ記録】

俺「お前も共犯か!俺の自宅踏みつぶしたの!」

ア「サーセン!サーセンシタッ!」

俺「亜空間に避難した異星人たちはどうなった?」

ア「全員、宇宙海賊バイパーに寄生された。寄生されなかった者は全員死んだ。」

俺「は?」

ア「バイパーに寄生されても、孤立亜空間に空間隔離すればバイパーのマザーに精神支配を受けない。寄生された者は亜空間に強制隔離したのだが、結果的に生き延びたのは彼らだけだった。」

俺「どういうことだってばよ…」

ア「寄生された地球人も、同じ亜空間に隔離している。」

俺「マジで?」

ア「宇宙海賊バイパーによる寄生は数百年前から始まっている。寄生された者は銀河刑事ギルドにより隔離されてきた。隔離した孤立亜空間では、地球人、プロキオン星系人、イプシロン星系人が暮らす、独自の文化の世界が広がっている。」

俺「スゲー、異世界じゃん。」

ア「宇宙海賊バイパーのマザーを打倒できれば、彼らを解放できるのですが。」

俺「やってやろうぜ!俺たちでな!」

ア「…」

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