第2話・転機
「エレナ!大丈夫か?」
「あぁ!エレナ。良かった……」
部屋のドアが開くと男女が入って来て、
私の顔をじっと見つめる。
女性の方は今にも泣き出しそうな顔をしている。
男性は綺麗なエメラルドグリーンの瞳で金髪長身の美男子。
女性はと言えば、何処かのお姫様?
と思える程の透き通るような白い肌と、
淡い紫の瞳に艶やかな銀髪の美人だ。
「あぁ。貴方、本当に良かった」
と、二人は泣きながら抱き合う。
何処かの映画のワンシーンのような光景だ……
と思い観察していると、
先程の女性が戻って来て
「旦那様、奥様本当にようございました」
と今度は三人で抱き合いながら泣いている。
えっっと……
何か言わないとまずいわよね。
この感じ……
でも何て言えばいいのかしら?
と、考えていると、長身の美男子が
「エレナ。お前は森で行方不明になり見つかった時には高熱を出しそのまま意識不明となり3日間も寝込んでいたんだ。何故森になんか行ったんだい?」
ぇ?森ですか?
(何故と言われても、この状況がわかりませんし。ホームセンターの帰りに森には行かないし……。
いや。この場合もうホームセンター関係ないよな……。と自分で納得する)
でも何か答えないとまずいよなぁ……
この状況……と考えていると、
銀髪美人が
「貴方、もう良いではありませんか。こうしてエレナが私達の元に目覚めて戻って来てくれたんですから」と。
うん!貴女ナイスフォロー!座布団一枚!
と思わず言いそうになったが、やめておいた。
───数日が過ぎ、すっかり身体のほうも回復し
自分で立ち上がることが出来るようになり、
初めて自室にあった鏡を目にすると、予想はしていたが……。
うん。金髪でした。
瞳は美人の女性(母親)と同じ紫色。
父親の名前はアルデ・フォン・クロフォード
クロフォード公爵だ。
母親の名前はクリスティーナ・フォン・クロフォード。
そして私はと言えばこの二人の美男美女から生まれた
長女エレナ・フォン・クロフォード
公爵令嬢である。歳は10歳だそうだ。
(まぁ、この情報は侍女から聞き集めた情報なんですけどね)
そりゃあ、最初に鏡を見た時には、ある程度予想していたとは言え、
流石にビックリしましたよ。アータ
アラサー独女がいきなり、金髪、紫眼の可憐な少女ですよ?
おったまビックリでしたわ。
まぁでも将来有望?
な美人になりそうな予感がしたのでそれはそれで良し!と、
前向き思考なんで(現実逃避得意なんです)
そんなこんなで(どんなんだ!)なんとか楽しく暮らしておりました。
───それから3年が過ぎ、すっかりこの世界にも慣れ始めた時、
私に転機が訪れたのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます