第2話


 あたし、マンドラゴラ! マンドラゴラ・オフィシナルム! マンデラちゃんって呼んで欲しいけど、それだとなんか別の人みたい! みんなスルーして「マンドラゴラさん」ってフルで呼んでくれるよ! なんで? マンデラさんっていたっけ?


 マンデラさんって言えばオーストラリアとニュージーランドの位置関係くらい有名だよね! ニュージーランドってオーストラリアの右上? それとも右下? あなたはどっちの世界から来たの? ほら、オーストラリアの右上にニュージーランドがあると思ったら実は四国でしたって奴! それがマンデラ効果! 右上でも右下でもどっちでもいいか!


 あたしの特技はとにかく良い声を出すこと! 体内に蓄積された神経毒を絶叫とともに空気中に拡散させるから耳を塞いだって無駄よ! 効果範囲はけっこう広めなの! あたしの体内で分泌される神経毒は少量なら幻覚剤やお薬になるみたいだから採取したがる人はけっこういるみたい! 一発いっとく?


 毎ターン持続性で効果範囲の広い毒散布攻撃! どうやって毒回避するのかな! 一般的には犬の首輪とあたしの翡翠色の髪をロープで結わえて、本人は安全圏に引っ込んで、犬を呼べば飼い主の方に駆けていくからあたしを引っこ抜ける寸法ね! 犬には可哀想だけど犠牲になってもらうか! さあ、準備OK? 犬とあたしを紐付けてっと、ィギニャアアアァァァッいつでも毒発動できるから小細工も無駄あぁっ!




 You are dead.




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る