第10話 セルフ→ひかりのよろい

わたしはのぼりかいだんをえらんだ。

なんらもんだいなくじょうそうかいに

たどりついた。

うえはかそうとかわらないこうぞうの

せきざいのフロアーだ。

つうろのわきにちいさなこべやをみつけた。

わたしははいってみることにした。

こべやにはたからばこがあった。

わたしはたからばこをあけてみた。

なんと!なかみはひかりのよろいだった!

わたしはひかりのよろいをてにいれた。

たからばこにはてがみがそえられている。


「けいあいするまおうヘルさまへ

わたしはあなたさまをしんじております。

あなたさまのふっかつを。

あなたさまのしょうりを。

そしてにんげんどもをうちやぶり、

こそくなひかりのめがみをほうむりさり、

われらやみのものにえいこうを

とりもどしてくれることを。

ゆえにこのよろいをここにおさめておきます。

これはあなたさまをほうむったにくきゆうしゃが

みにつけたよろい。

しかしおよろこびくださいませ。

ゆうしゃのなかまのひとりがほかんしていたものを

そやつをほうむり、わたしがうばいとりました。

まおうさまのおやくにたてればさいわいです。

まさかぼうけんしゃどもも

でんせつのゆうしゃのよろいが

まおうさまのぼしょにあろうなどとは

ゆめにもおもわないでしょう。

このよろいがぼうけんしゃどもの

てにわたることなく

まおうさまのもとへとどくことを

わたしはいのっております。

いいえ!

かならずやあなたさまのおてもとにとどくのす!!

なぜならば!

わたしは!

まおうさまを!

しんじているのですから!!


ルーカス」


おまえのねがいはつうじてとどいた。

わたしのもとに。せんねんときをこえて。

わたしはルーカスのおもいを

むだにしないためにも

かれののこしたひかりのよろいを

そうびしていくことにした。

ひかりのよろいは

ぜつだいなぼうぎょりくだけではない。

まりょくのダメージをはんげんさせ、

さらにあるくだけできずをいやすことも

かのうとなる。

これさえあればわたしはもはやむてきだ。

ああ!ああ!そうかんがえてしまったわたしは

なんとおろかなのだろうか!

わたしはしをちょうえつした

アンデッドのおうヘル。

つまりはやみぞくせいのそんざいであるにも

かかわらずひかりのかごをうけるよろいなど

みにつけるなど!これはもうのろわれたアイテムを

そうびするいがいのなにものではないでないかっ!

わたしのからだはこうてつのように

かたくなにもののをうけつなくなる

どころかなまりのようにおもくなっていく。

もはやゆびさきひとつうごかすことすらできない。

いまのわたしはオークにとらえらえれ、

エロがにまたをさせられたおんなきしだ!

ツンデレエルフだ!たいまにんだ!

「がいこつのおやだまふぜいがごうせいなよろいをきているじゃないか。わたしがもらってやるよ」

ふりむくことすらできないわたしに

はいごからおんなのこえがした。

おそらくは。いやまちがなくしのびこんだ

ぼうけんしゃのものだ。

そいつはわたしめがけてクロスボウをうちこんだ。

なんていやなぼうけんしゃなんだろう!

こうぶのハンドルをネジのようにまわすことで

ハンドルがうしろへさがりげんがひかれる

クロスボウは

めいちゅうせいどもたかくいりょくもあるが、

そうてんにじかんがかかるのだ。

わたしがみうごきひとつできないからといって

わざわざクロスボウをつかうだなんて

あんまりじゃないか!

こうとぶうにつきささったクロスボウは

みけんをつらぬき、しょうめんのかべに

つきささった。

ささったクロスボウのやはなんと

オリハルコンせいだった!

ほんとうにいやなやつだなあ!

こんないじわるなころしかたをするおんなだ。

きっとしんそこぶさいくなやつだとおもったが、

わたしのまえにあらわれたのは、

わたしのみじめなさいごをちょうしょうする

ひかりのめがみだった。

ざんねん!わたしのふくしゅうのだびじは

ここでおわってしまった!



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