第62話 ふははは!アンデッドがゴミのようだ!(エレノア)

 フェニックスの巣にはゲームと同じく聖火が沢山あった。


 いやあったと言うよりも巣自体が聖火でできているみたいな感じだった。


 だから聖火のスキルを取ったらすぐに退散した。


 ちぃぇ……不死鳥の羽が欲しかったんだけどな。


 残念ながら手に入れることができなかった。


 それにゲームの時にどうやって入っていたのかを考えた時、ある事をしていたことを忘れていたことに気付いた。


 そう言えば最強装備で行ってたわ……。


 ゲームでは最強の防具があり、廃プレイヤー達は皆んなそれを使っていたのだが、この世界では多分作ることができない。


 何故なら、この世界でその素材を鍛治出来るほどのスキルレベルと装備がないからだ。


 何せ殆どの人がステータス画面を知らないし。


 正直俺が広めてもいいのだが、まだこの世界のことが完全に分かったわけではないため、余計な危険を引き寄せることになりそうだからな。


 俺達は無事に【聖火】を覚えることができたため、もうこの空間に用はない。


「エレノア、もうここから出るぞ~」


「分かりましたっ!」


 エレノアも特にここに未練はないのか、すぐに出口へと向かい出した。


 それから一瞬の空間の歪みを感じたと共に、元のダンジョンに戻っていた。


 一応何か変わったところがないか【気配感知】で調べてみるも、特に変わったところはない。


 これなら最高のレベリングが出来るだろう。


「エレノア! これからとうとうお待ちかねのレベリングの時間だ! 【聖火】を使って一気にlevel200に行くぞ!!」


「おー!!」


 どうやらエレノアもアンデッドを楽に倒せるスキルを手に入れて浮かれているようで、俺のテンションについてきてくれた。


 いつもは大人っぽいから、偶に年相応の姿を見ると更に可愛く見える。


 ダメだ! 俺にはサラがいるんだからな!


 余計な考えは外に追い出して階段を駆け上がる。


 階段を登り切ると既に沢山のアンデッドがいた。


 しかしどうやらこの世界でも隠し通路には入れないようだ。


 この現象はゲームではバグの一種だったが、この世界では法則になっているようだ。


 成程ね……それなら他のバグも使えるのかもな。


 俺はゲームにあった様々なバグを思い返して次は何のバグを見にいこうかを考えていると、エレノアも階段を登り終えたのか、驚愕の声を発していた。


「な、なんでこんなにアンデッドが集まっているのですか!? アンデッド達はここに来れないのですか!?」


 俺はテンパっているエレノアを落ち着かせる。


「アンデッド達はここには絶対に入ってこれないから大丈夫だよ。それよりこれはチャンスだぞ」


「チャンス……?」


「そうだ。まぁ少し見ていてくれ」


 俺は聖火を早速発動させてアンデッドに放つ。


 すると目の前の何十体ものアンデッドが一瞬で消えて経験値に変わる。


「エレノア、同じようにやって見て」


 エレノアは少し緊張したように頷いて両手に聖火を発現させる。


「え、えい!!」


 何故だかゲームでも聞いたこともないような可愛い声を出して聖火をアンデッドに投げつけると、俺以上に多くのアンデッドが消滅した。


「や、ヤバいです! もうlevelが2つも上がりました! ソラ様、これすごいですね!」


 中々上がらなかったlevelが上がって相当テンションが上がっているのか、無邪気な笑顔でキラキラした視線を向けてくる。


 そしてすぐにまた聖火を発動させてはアンデッドに投げつけていた。


 一方俺はと言うと……


 ……うん、これからエレノアを怒らせることは絶対に避けよう。


 一応フェンリルにも言いつけとくか……。


 俺は現実逃避していた。



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