第44話 聞き込み調査のはずが……
俺はほんの10分ほど前に知り合った、先輩方と一緒に学院の中にあるカフェに向かっていた。
その間にも沢山質問される。
「ねぇねぇソラ君は何年生の何組なの?」
「あっ、私も教えて欲しいなぁ」
やたらグイグイとくるな、この先輩方。
「えっと……1年1組です」
俺がそう言うと、2人の顔が更に笑顔になる。
「凄ーい! 成績優秀なんだね!」
「因みに私達は2組だから! いつでもきてOKよ!」
そう言ってくれる。
まぁ2人みたいな美少女に言われたら嬉しいけど、俺にはサラという心に決めた人がいるので遠慮しときます!
とは言えず……。
「あはは……機会があったら行きますよ」
「「絶対来てね!」」
「わ、わかりました……」
これは1回は行かないといけないパターンだな……。
陰キャに果たして行けるのだろうか……。(2人について行っている時点で陰キャではない)
その後も好きな食べ物や趣味、好きなタイプ、髪型などなど色々と聞かれた。
最後ら辺は人様に言えない大人のことも聞かれたが、なんとか話題を逸らしたりしながら行っていると、突如近くにあった草むらから誰かが出てくる。
「こらぁー! ソラ君! どこに行くんだ!」
聞き覚えのある声に、俺も合わせた3人が一斉に振り向いて叫ぶ。
「「生徒会長!?!?」」
「お姉ちゃん!?」
「「ん?」」
あっ、まずった!?
「今……ソラ君、お姉ちゃんって……」
「言ったよね……」
「いや、ちがっ……」
俺が急いで弁明をしようとすると、それをクリスティーネに遮られる。
「ソラ君! 知らない女について行ったらダメだよ! 全く……ソラ君はかっこいいんだから……」
俺は手で顔を覆い、2人は唖然とした表情で固まっていた。
その元凶であるクリスティーネは、俺に向かってめっとしている。
「あ、あ、あの男子を毛嫌いしている会長が、名前呼びで君付け……」
「そして、いつもと違う子供っぽい話し方……」
2人は互いに見合わせて頷く。
「「貴女は会長の偽物ですね!」」
「馬鹿なことを言っていないで、説明して欲しいのだけれど?」
「「あ、はいすいませんでした」」
そう言ってぺこぺこ謝るアメリア先輩とレオナ先輩。
そして俺との経緯を話し始めた。
「要するに、ソラ君が私の事を知りたいから貴女達に聞いてきたので、カフェで話そうと思っていたと?」
「「はい、そうです」」
2人が頷くと、クリスティーネは俺の方に向いて、抱きついてきた。
「なんて可愛いの~!! 私の事を知りたいだなんて!!」
「ふがッ!?!?」
「「ええええええ!! 誰ぇぇぇぇぇ!?」」
クリスティーネは感動した様子で、満面の笑みを浮かべて俺の頭に頬をすりすりする。
俺はクリスティーネの大きなお胸にダイブして絶賛酸欠状態だ。
アメリア先輩達はまた驚いている。
クリスティーネは175cmと身長が高く、168cmの俺よりも高いため、どうしても俺の顔がお胸に入ってしまうのだ。
これは俺のせいじゃないとは思うが、急いで離れる。
「何するんだよお姉ちゃん!!」
俺はゼェゼェ息を切らしながら言う。
「だって可愛かったんだもん」
そう言って頬を膨らませてそっぽを向く。
そんな俺たちのやり取りを見て、2人はクリスティーネに挨拶をする。
「初めましてクリスティーネ会長! 私は2年生のアメリアと言います!」
「同じく2年生のレオナです」
「ソラ君はクリスティーネ会長の弟なんですか?」
アメリアが聞くと、クリスティーネが手をひらひらさせて否定する。
「いえ、本当の弟ではないのよ。私達幼馴染なの。ただ昔からソラは私の事をお姉ちゃんって呼んでくれるの」
そう言ってゲームでは見た事のない乙女の顔をしたクリスティーネが、俺をチラチラ見ながら言う。
アメリア達はそんなクリスティーネを見て、驚愕していた。
「ど、どどどうしようレオナ!? どうやら会長はソラ君のこと好きらしいよ!?」
「やっぱりアメリアもそう思うよね!? どうしよう!? ライバルが思った以上に強いんだけど!?」
2人でまたコソコソ話をし始め、2人が力強く頷くと、クリスティーネにある事を提案した。
「クリスティーネ会長も一緒に行きますか?」
クリスティーネは一瞬目を瞬かせると、笑顔で返事をする。
「ええ、是非一緒に行かせてもらえないかしら?」
「勿論です! ソラ君もいい?」
「あ、はい大丈夫です……」
俺は嫌々ながら頷く。
いや本人いたら何も聞けないじゃん。
俺はガックリと肩を落とした。
--------------------------------
面白い! まぁまぁかな? ソラ、エレノアがんばれ! などと思っていただければ、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!
また、フォロー、感想、応援コメント、誤字脱字や改善点などの報告を頂けると作者の励みになります。
ではではまた次話で。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます