第31話 入学
ここはハンター協会が経営する高校、「
僕は多数の新学生の仲間として入学式に参加している。
「……………………ということだ。諸君、これからの学園生活を頑張ってくれ」
丁度、今、校長先生からの有り難いお話が終わったところだ。
そこから、来賓祝辞、紹介、祝電披露などと式が進行される。
「次に、新入生代表として
司会の先生が新入生代表の名前を呼ぶとその瞬間、周りがざわつき始める。
「真田 光って、確か…」
「多分そうだと思う。「勇者」って言うスキルを手に入れて国内で一番のクラン〈陽光の光〉に入ったんだっけ?」
「あぁ!ハンター協会の期待の新人として話題の人だよ!」
余りにも騒ぎが大きくなって先生から注意され、静かになると舞台の端から一人の男子生徒が中心へと歩いていく。
金色の髪を靡かせ、堂々たる佇まいで立ち言葉を放ち始める。
「春の息吹が感じられる今日、私たちは入冠高校に入学いたします。本日は私たちのために、このような盛大な式を挙行していただき誠にありがとうございます。新入生を代表してお礼申し上げます」
凛とした声が会場の隅々まで響く。
「正直、まだ高校生となった実感は湧いていません。が、これまで両親をはじめ、多くの人に力を借りなければいけなかった未熟な私達を乗り越え、この高校生活で大人へと成長できるよう先輩方の背中を見て精進させて頂きます」
言葉が切られ、一息の休憩が入れられる。
「伝統ある入冠高校の一員として、責任ある行動を心がけていきます。校長先生を初め先生方、先輩方、どうか暖かいご指導をよろしくお願いいたします」
「以上をもちまして、新入生代表の挨拶とさせていただきます」
宣誓を終えた新入生代表が礼をすると拍手が巻き起こる。
深く折り曲げた腰を上げた時に見えたその顔は僕が何処かで見たような印象だった。
けれど、新入生代表は自分の席に戻るために方向を変えてしまう。
そうなると当然、顔が見えなくなってしまう。
(誰だっけ?何処かで見たことあるような顔だったんだよなぁ)
もう少し顔をよく見ると思い出せそうだなぁと考えつつも、思い出せないってことはさほど重要でもないという事だろうと思い、記憶を探るのを止めた。
――――――――――――
入学式が終わり、大量の教材と一着の特殊な衣服を学校側から受け取り、それらを抱えて帰る帰り道。
「これで明も高校生かぁ」
隣で僕の荷物を持ってくれている父さんがしみじみと呟く。
「これで僕も高校生かぁ。これからは、自分で何とかしなきゃいけないことも増えていくのかなぁ」
「ははっ、高校生といってもまだ子供さ。本当に困ったことになったら遠慮なく親を頼ってもいいんだぞ?」
「まぁ、ほどほどに頼るよ。でもあんまり頼ってたら僕も成長できないからなぁ…最終手段ってことにするかな?」
僕がそう言うと父さんは真剣な顔になる。
「そんな最終手段とかになる前に頼ってくれ。父さんはお前の味方なんだからな」
………どちらも喋らなくなってしまい、気恥ずかしい空気が流れる。
丁度、寮に着いたので僕は話を変えることにした。
「いやぁ、これが僕が今日から住む寮かぁ……」
父さんは露骨に話しを変えた僕に微笑みながら、僕の話に乗っかてくれる。
「もう何度も此処へ来ているじゃないか」
そう僕は寮に引っ越しやらなんやらで何度か来ている
「って!別に今言わなくても良いじゃん」
「ははは!けど、それにしても此処の寮はデカいなぁ」
父さんは笑いながら上を見る。
「そうだよねぇ……」
つられて僕も寮を見上げる。
見上げられるほど大きい寮。
そこには、30階のタワーマンションが何棟か聳え立っている。
「本当にハンター協会の財力って凄いんだという事をしみじみと感じさせられるよね」
その後、25階にある僕の部屋に荷物を運びこんで、父さんと別れて僕は一日を終える。
明日からは新しい高校生活が始まる。
僕は取り合えず友達ができれば良いなと思い明日を待つ。
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