横顔の刺激 分析

横顔の刺激 分析



     男娼タントの綴る  やつれた

     ひ弱に影の残る

     頬 めがけてひきずり込め

     螺旋の鋼描き

     高度一万粁いちまんキロ

     の 風景


     街燈の点滅ばかりを徘徊し

     しなだれかかる優しさをマントに

       時計台へ


           夜毎 妖しさを募り

           鉛玉の責め具握りしめ

           ひとみが流し出す

           熱い硝子伸びて


         聞け   琴線の切れる


       跳び 跳びの

         安息への連鎖反応

       超高速度撮影の  

         いたちごっこが弾み出すと

       ひっきりなしのサイレン


               堕ちていくぞ


          鉛玉の

          時計台の

          街燈の

          風景の

          横顔の

          夜のまま

          すっぽりと


          奇妙に捉えがたい

          背中合わせの歩み寄り


        燃えついた翼の焼け残るコウラルレッド

        を背負い

        エーテルの一万粁から

           暗黙の了解に

              標本のラベル

             イカルスは

          ホルマリンプール目指し


         最高潮に螺旋のボール紙切り抜く

            男娼の手招き揺れる



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