ハーフリングでも出来る!異世界転生のすすめ!!〜最弱の小人族(ハーフリング)に転生したけどゲームでは当たり前だった知識を誰も知らなかったので楽々成り上ります〜
斎藤 ケイジ
序章/バイバイ地球
第1話,ゲーム本編へ向かう馬車での一幕
「つまりですねぇ!結局のところスキル構成なんて物は
ゴトゴトと揺れる車内で、隣に座る男性と機嫌良く話していると御者台に座っているおじさんが振り向いて声をかけてきた。
「おい、兄ちゃん達!何時迄もくっちゃべってないで外見てみなよ。お目当ての境界都市が見えてきぜ!」
僕の声を遮ってかけられた言葉に隣の彼が勢いよく立ち上がる。
僕の倍はある彼が急に動いた事で、側に座っていた僕はコロリと転がり馬車の内側でベシャりと倒れ込んだ。
「へぶっ!」
「よーーーやく着いたがじゃ!こん坊主の訳のわからん長話ともよぅやっとおさらば出来るがかや!」
オーガ種の中でもこの辺りには居ない鬼人カテゴリーに属する者特有の、独特の訛りで話す彼の言葉に未だ馬車の木目を観察できるほど床にへばり付いていた僕はショックを受けて顔を上げる。
「ええっ!そんな!?あんなに楽しい激論を交わした仲じゃないですか!」
持ち上げた視線の先には、赤みがかった肌を持つ鬼人がいた。
恐らくは成人したての若い青年で、左目が隠れる程に伸びた癖のある黒髪を後ろに結んでおり、その額からは天へと伸びる二本の角が見える。
隆々とした肉体を簡素な和装で包んでおり、動きを阻害しない軽鎧を装備している。
腰に刺した大小の刀とその出立から、【刀術】に分類されるスキルツリーを持っている事は容易に想像できた。
どこから見ても立派な鬼武者であった。
「
このお兄さんと僕は偶然にも乗合馬車で行く先が一緒だった為に旅の道連れとなったのだ。
折角だからと話しかけたところ、彼は気軽に話相手になってくれた。
そこで気をよくした僕はこの世界で初めて見た鬼人に興味をそそられ話しまくった。
彼の故郷の暮らしから、刀についてや目的地に着いたらまず何をするかの情報交換。
と、ここまでは良かったがテンション上がりすぎた僕はそりゃあもう喋りまくった。
途中なんか彼も言ってたと思うが構わず話し続けた。
何てったって夢にまで見た場所にもうすぐで到着するのだ!
それにスキルの話はこの世界の誰だって大好きに決まってるしね!
てっきり僕の話に感じ入って黙っているのかと思ったらどうやら違ったらしい。
「あれ?そんなこと言いましたっけ?」
「あーー! もう!!何なんじゃお
その言葉に待ってましたとばかりに跳ね起きて、頭を掻きむしる鬼人のお兄さんに張り切って返した。
「僕はグリム!
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