第6話 ちょっとした変化
最近東藤と話していて思ったことがある。
まず何かと“好き”って言葉が出てくること。
最近の高校生が“好き”っていうことがブームだというならいいんだが、なんというか…
思い違いだったら恥ずかしいんだが、俺に対する話題の時だけ異様に“好き”という単語を発する。
俺も男だし?
いくら外見がロリっ子だからとはいえ、女子から“好き”という単語が発せられることに関しては少なからず反応はしてしまうんだよな。
しかも最近は何も用事が無くてもメッセージが来る。
暇なのか?
妹になんとなく相談したら、『お兄ちゃんのアホ』とだけ言われ、その他は教えてくれなかった。
なんだよ、俺の事からからかってるのか?って最近は思うけど、東藤のバイト終わりに開催されるお菓子試食会は現在進行形で続いている。
しかも文化祭はメイドカフェで出し物も決まってると来た。
俺はその情報を知ってしまった今、どう対応したらいいんだよ…。
「最近元気ないですね。」
「いや、元気はある。ただ、少し迷ってるだけだから気にするな。」
「それ、迷ってるって言われた方が気になりますよ?」
「聞かない方がいいとおもう。」
「いいぇ、聞かせてください!先輩の力になりたいんです!」
「じゃあ。お前の味覚センスどうにかならないか?」
「え…?」
「今日だってさ、カスタードの中にあんこ入ってるしさ、この前も生クリームの中にわらび餅っていう変なもの作って来たよな?」
「いや、だって、おいしいものとおいしいものを混ぜればおいしいかなって…。」
「限度があるだろ…。」
そう、東藤への接し方も悩んで入るけど、先に東藤の味覚センスをどうにかしないと俺の頭が狂いそう。
ずっとマカロンっていうスタンスは変わってない。
俺はマカロンが好きだって言ったことはないし、むしろ市販は高いからそんなに口にしたこともない。
俺がスイーツで一番好きなのはフルーツタルトだ!!
「先輩がそんな悩んでいたなんて…。気づかず、すみません。甘いの嫌いでしたか?」
「嫌いじゃない。でも一回マカロンから離れないか?」
「もう、こんなに悩んでくれてる上に、作るのやめろって言わない性格好きです。」
「どうも。」
まただ。
事あるごとに“好き”って言ってくる。
“好き”が安く聞こえるからやめた方がいいと思うが、今の高校生のノリもあるだろうから流すことにしている。
ただ、こうやって毎回俺に試作品を作ってくる努力はすごいと思うし、毎回メッセージで断りを入れてくるあたりは可愛いと思う。
「わかりました!先輩の好きなものが分からないからいけないんです。今度一緒にデートしません?」
「またか。つか、付き合ってないのにデートって言ったらダメだろ。」
「今度はイメチェンじゃなくて、ちゃんとご飯食べたりするデートです!」
「せめてお出かけにしとけ。」
「何が違うんですか。どっちも一緒です!」
「わかったから、お出かけな。」
「もう!しょうがないので今回は私が折れてあげます。」
「上からだな。」
「また詳細はメッセ送りますね!楽しみ~。」
デートからお出かけに変更できたが、一緒に出掛けるのは不安しかない。
まぁ、髪を頑なに変えようとしなかった俺に機会をくれて、なおかつ似合う髪型を選んでくれたお礼とは思ってるけど…。
いや、別に、可愛い子と出かけられることに浮かれてるわけじゃないからな?
まず高校生と大学生が付き合ったら犯罪だろ。
未成年だぞ。
だからこそブレーキが掛けられてるのかもなーなんて。
俺が高校生だったら…やめよう、これだけは流されちゃいけない。
-つづく-
読んでいただきありがとうございます。
少しでもいいなと思ったら♡やコメント、☆をお願いします(*´ω`*)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます