8-2
共通テストの日。充君と駅で待ち合わせをしていて、学校の子とか中学の時の子とかと顔を合わせて、新藤茉莉ちゃんの姿もあったけど、手を軽く振って「がんばろうね」と言っただけで、私は特に仲のいい子は居ないので、挨拶はしていたけど、充君の横に連れ添っていた。
会場の門の前で、何人かの先生と掛川先生が居て、私を見つけてくれて
「瀬戸内さん 自身持ってな! やってきたとおりにやればいいんだからな」と、励ましてくれた。
「ウン だけど 初っぱなが 苦手の日本史Bやからなー」
「なに弱気になっとんねん 今日の瀬戸内さん 眼が輝いているよ 君は出来る」
「ありがとう 先生 ヤッテくるね」
試験科目の合間にも、充君と確認をしあって、2日間の試験を終えた。私は手応えを感じていて出来ることはやったと思っていた。だけど、充君は物理の最終問題をミスったかも知れないと言っていた。
「まぁ ええやん 入試の最終試験ちゃうんやしー 一次試験の合格ライン突破してればええんやろー」
「そー 気楽に言うけどなー ミスはミスや」
「だって 気にしたって遅いやん ウチやって日本史 あんまり出来んかったかもしれん でも、引きづらんやーにって言い聞かせた そやけど、次や 本番は」
「紗奈 前向きやのー」
「そやでー 充君が付いとるしなー 頑張れる」
もう、家の近くの駅に着いた時には、暗くなっていたので、充君は送ってくれていた。そして、近くの公園に来た時、私は軽く充君のホッペに背伸びをしてチュッとして
「ありがとうね 送ってくれて ここで、いいからー 本番 がんばろうね」と、走って別れたのだ。
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