6-8
塾の休みが終わって、充君と顔を合わせたとき、私は、少し恥ずかしかった。そして、その日は何となくぎこちなく、あんまり話をしなかったのだ。
昨日の夜も寝ようかとベッドに入った時、あの時のことが思い出されて・・あの時、私が充君の背中に手をまわしたら、腰をぐっと引き寄せられて、お腹あたりに充君の・・多分 あの部分なんだろう。確かに、あたっている 充君のもの・・とわかってしまっていた。当たり前なんだけど、小学校の時とは違うと、私は、そのことが頭をよぎってしまって、身体が火照ってくるのがわかった。そして、また、茜さんのあの時の光景が蘇ってきて、身体の中心も疼いてきていたのだ。
しばらく、寝付けなかったので、起き上がって、自分にしっかりしろって、参考書を引っ張り出していたのだ。
塾を出て、別れる時も、あの時のことが無かったように「サヨナラ又明日ね」と言って別れてしまっていた。だけど、私は、歩きながら 今度はいつ? また、してくれるの? と・・・やっぱり、こんなんじゃーしなきゃ良かったのかも とも考えたりもしていた。充君は平気なのー あんな風に普通に・・サヨナラなんて。
家に戻ると、おばぁちゃんから私宛に天橋立の知恩寺の文殊のお守りが届いていた。私の為に行ってきてくれたんだ。中から手紙が「私の孫なんだからどんなことにも負けないで向かっていくんだよ」って短い文が入っていた。涙が滲み出てきたけど・・
「そうなんだよ 私は グジグシしてちゃーだめなんだ 今の目標は合格すること 一緒に受かれば、いくらだって いちゃいちゃできるもんね」と、自分に言い聞かせていた。吹っ切れたように、何故だか水シャワーを浴びていた。冷たかったんだけど、これは試練なんだとバカなことを考えていたんだ。
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