5-5

 新学期が始まったけど、図書館で一緒に勉強するのは、最初の日曜日しかないと充君に言われた。近畿大会の予選が始まるからと言っていた。


 その日も、私は、お弁当を用意して、そして、いつもの公園はあの子に出くわす危険があるので、別の公園に連れて行ったのだ。充君は別に気にも留めていなかったようだ。


「ウチ 決めた 受けるとこ 資源生物学科」


「ふーん 農学部かー」


「うん どこも偏差値高いんだよねー だけど、募集人数多いから、ひっかかってくれればと思う」


「いいんじゃぁない? 決めたんなら、頑張ろうな」


「ウン」


「それとな 3月の末には、俺 学習塾に通うよ いろいろと意見とか聞いた方が、傾向つかめるしなー」


「えぇー そんなら ウチも行く! 一緒に・・ じゃまやろかー」


「いや それは、サダが決めろ 別に じゃまじゃぁないしー」


 そして、1月の終わりには、もう負けたと言っていた。1試合目は大勝だったけど、2試合目で負けたみたい。結局、そんなに強いチームじゃぁないんだなー。充君に言わすと、強いとこは、そのために選手を集めているから、桁違いなんだよって、負け惜しみみたいなことを言っていた。だけど、私には、又、一緒に勉強できるから、バチ当たりなのかも知れないけど、心の底では喜んでいたのだ。


 そして、2月末になって、試験が終わった十和姉さんに会った。


「十和姉ちゃん やり切った?」


「あぁ 学校推薦は漏れたけどな 1年の成績とか、素行が悪かったからー だけど、余計に意地になって頑張ったつもりだよ」


「そう 十和姉ちゃんなら、受かると信じているよ でも、もう直ぐ卒業なんだね」


「あぁ だなー サダ姉さん どうする? グループが4人になってしまうな」


「うーん なりゆきに任せる ウチもあんまー 構っておられんようになるしなー」


「そうかー まだ 志望校 変えるつもりないんやーなっ」


「もちろん 行けるとこまで、行くんやー 笑われてもええねん」











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