第3章
3-1
年が明けて、2月の終わり頃、茜さんの号令でグループの皆が集められていた。
「今日 集まったのは、ウチ等3年がもう直ぐ卒業する。だから、新しいリーダーを決めようと思ってな みんなから認められる子をね」と、茜さんがみんなを見回しながら言った。といっても、3年生は3人、2年生が4人、1年生は私と久美だけだった。
「最初に、推薦する子がいるんだったら、それぞれ言ってみな」と、続けた。
「十和」と、3年の一人が言うと、数人が拍手していた。
「あとはー?」と、茜さんが、又、みんなを見回して・・だけど、声が無くて
「あと 居ないんだっら ウチから・・・ サダを推薦する」と、
「えーー」と、何人かから・・驚きの声。しばらく、沈黙があって、十和姉さんが
「ウン ウチも推薦する」と、言いながら私に向かって拍手してきた。そうすると、2年生のみんなもつられて、後から拍手してきた。
「決まりね サダ 十和は補佐ってことで みんなも良いね!」と、茜さんは私に諭すように見つめてきた。観念しなさいと言っているようだった。私は、思わず ブルっと瞬間震えたと思う。
そのことがあってから、みんなが私のことを「サダ姉さん」と、呼ぶようになって、
「ねえ 十和姉さん みんな ウチのことサダ姉さんって呼ぶじゃない ウチ 上級生はなんとか姉さんやんかー 十和姉さんのことも・・ だから、サダ姉さんって・・なんかおかしないやろかー」と、十和姉さんに聞いてみた。
「かなー 可愛いやん 姉さんって」
「でも なんか ヤクザっぽい あんね 姉ちゃんじゃぁ ダメかなー」
「あのさー 幼稚園じゃない? 幼馴染とちゃうねんでー」
「でもね 仲間じゃない? みんな 仲良しグループでもええやん」
「・・・サダがリーダーなんやから 決めたら、ええねんけどな みんな戸惑うと思う」
「じゃあ 十和姉ちゃん」
「うぅー くすぐったい ウチの妹でも お姉て言ってんのやでー」
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