第260話 小説

真剣な目で小説を書く彼に私は恋をした。


「いけないよ。あんたの恋人は勇者なんだから」


こっそりと耳打つ魔道具屋の主人なんかに言われなくても解ってる。

私は勇者を好きでいなきゃいけないって。

彼とは到底、住む世界が違うって。


だけど、私達の世界を書き紡ぐ彼を、

どうしようもなく愛しているのよ。




★☆★


“勇者の恋人”が好きになったのは、自分達の作者だったりするわけだ。



☆★☆


次のお題は〖イカロスの翼〗

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