第204話 千本ノック

「無理やて」

と、じいちゃんには呆れられたが、僕はやる気満々で、その千本ノックを始め、そしてついに、明日で百日という晩御飯の最中、鼻高々で報告した。


「で? 一日、何回、唱えたんだ?」

「千回ぐらい?」

「あほ。『虚空蔵求聞持法こくうぞうぐもんじほう』は、1日1万回じゃ」


そんな。

じゃあ僕の記憶力は上がってない?




★☆★


『虚空蔵求聞持法』は、虚空蔵菩薩の真言を1日1万回、百日で百万回唱える修行です。

真言を唱えつつ何回唱えたかも覚えておく集中力が必要で、成せれば、難しい経典も、1回読んだだけで丸暗記できる能力が身につくそうです。


主人公が、「ぐらい」と言ってるって事は、数えてなんてないですし、ボ~っとしてる時に、なんとなく唱えてたって感じです。

(でも、一杯唱えたから千回ぐらいはいってる筈と、本人は思ってたんですね)



☆★☆


次のお題は〖シャッターチャンス〗

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