第161話 ねこ

拾った男は、好物だという刺身と私を行儀悪く食い散らかすと、蝋燭を灯し、私の商売道具の三味線を抱いた。


ばちも使わず、爪弾きの愛撫に、三味線は、あえかな嬌声じみた妙なる音で鳴くから、彼はまた、丁寧に奏でる。


哀しそうに微笑む彼の瞳孔が、猫の様に細長く見えたのは、火のゆらめきの所為かしら?




★☆★


いやー。

いざ〖ねこ〗って出されると、どこを切り取るか迷いすぎて(;^_^A


三味線の猫の皮って、メスだけなんですってね。

(オスだとキズがついてるそうで)

なもんだから、人間に変化した猫は男にしました。



☆★☆


次のお題は〖迷う〗

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る