第049話 差
私が居るのに、呼ばれたからって麻雀に出かけて行ったカレの留守中に、家賃の集金に来た差配 ──
愚痴を聞いて貰ってる間は、僅差だったの。
でも、一線を越えてしまって…決めたのよ。
大刀と脇差。
どっちを選ぶかなんて、火を見るより明らかでしょう。
★☆★
取り合えず、"差"のつく単語の三題噺。
昭和でんな。
月末、近所から集金に来る大家さんのいる時代。
夕方、ご飯を作りにカレシの部屋を訪ねれば、
「帰ったら、食う」
と言い残し、明日には親から送金されるから、家賃という軍資金を持って出かけてしまった。
主人公はどこへ出かけたか解っておらず、(すぐ帰ってくるだろう)と、料理を終えても、待てど暮らせど戻らぬカレ。
扉を叩く音に出てみれば、
「集金で~す」
家主が留守な事を告げ、集金は明日にしてもらうも、年の近い大家の甥子さんに、いつの間にか愚痴を吐いていた。
カレシの借家の大家の甥子と入居者のカノジョ。
遠い縁で知り合った二人は、顔を見れば会釈を交わし、なんとなく親しくなり…
って感じっすかね。
☆★☆
次のお題は〖あぐら〗
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