第012話 用心棒

あばら屋の心張り棒用心棒なんて、

薄い戸板を蹴破れば、

無法者の侵入を容易く許す。


「お愉しみの最中、悪いねぇ。俺らも混ぜてくんな」

「ひぃっ」


ようやくその気にさせて時化込んだのに、

闖入者の声で一気に萎える。


ふざけんな。

許さない。


女だてらに用心棒になったのは、

この男をものにするためだっつーの。




★☆★


剣の腕前は、『剣客商売』の佐々木三冬様クラスのイメージざんす。


そして、三冬様の場合は、"自分より強い男"がタイプでしたが、この女用心棒は、"青瓢箪"が好みなんですな。


恐らく、彼女は小さな道場主の娘。

豪商(とか)の息子の彼に幼い頃に一目惚れして、剣術修行に明け暮れ、体の弱い彼の用心棒の仕事をゲット。


妻の座なんかは望んでませんが、想いは成就させたかったのでしょう。



『咄嗟の彼女の武器が、棒っきれ用心棒で、撃退した』まで書き込めたら、3つとも入れられたんだけど、文字数上、断念。



☆★☆


次のお題は〖剥がす〗

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