第010話 泣きボクロ

僕とクロの顔はそっくりだ。


違うのは、クロの目の下に、小さな黒子があるぐらい。


爪の形なんかも同じで、

もし、僕が元気なら、体も一緒だったかも。


ある日、僕は手術を受けて、眠っている間に健康になった。


家に帰ると、クロはいなくなっていた。


「あれ?」


僕の顔には、クロと同じ場所に泣きボクロが。




★☆★


ドナーとレシピエント。


『救世主ベビー』ではなく、清水玲子先生の『輝夜姫』ってマンガの設定にある、要人の子供のクローンな感じ。


本体とクローンを見分ける印のホクロ。

レシピエント側が健康なら、そのまま育てたんでしょうが、主人公は病気だったので、部品として使用された。

主人公は、自分のドナーとなるためだけにクロが作られたなんて事は知らず、手術後、クロが居なくなった理由も聞かされていない。ただ、クロがいなくなった喪失感とか、なんとなく感じる”クロが居なくなった理由”への罪悪感が潜在意識にあって、泣きボクロができた。

って感じ。




そこまで考えてはいなかったんですが、


『ボクロ』を分割すれば、「『ボク』と『クロ』」になるね。

『ボク』…ああ、『僕』だね。

「『僕』と『クロ』」。おお、いいじゃん。

でも、名前が『クロ』って…ペットかよ。おい。

ま、いっか。さて、どういう話にすんべかの。


カキカキ…“〆(・ε・*)


あれ?

え~っと。『輝夜姫』のドナーの子供達って、どうやって生まれたんだっけ?

〖クローン〗Σ(・□・;)


『クロ』がクローンの『クロ』になってもーたー。



最初は、歌舞伎や人形浄瑠璃の『黒子くろこ』の話にしようかと思ったんですが、泣きボクロを見せるとなると、裏方での話になり、そこら辺りを調べる時間が無かったんで…ヤメ!


☆★☆


次のお題は〖肩慣らし〗

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