第7話
「……なんだ、これは」
絶句。
驚愕。
恐怖。
「我々はあれらと戦っていると言うのか?」
ミリア子飼いの人間たち。
定められた小隊で行動し、様々なところに潜入して情報を手に入れる彼らはアルミス子飼いの人間たちと邪神崇拝者の男女の戦いを目にしてしまった。
凄惨な、あまりにも凄惨な戦いを。
「……」
「ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」
戦場となっている街に住んでいた人たち、つい先ほどまで生きていた仲間たち。
そんな彼ら、彼女らを一切の躊躇なく盾にするなど、一切の無駄なく利用していく怪物たち。
平然と、当たり前のように自爆する……そんな己の命でどれだけ敵を削れるか、ただそれだけしか考えていないような戦い方にミリア子飼いの招待は吐き気と恐怖を覚える。
初めて相対した己の敵の……存在。
「あっ……」
それを前に彼らは次々と戦意を奪われていった。
ミリア子飼いの人間は、堕ち切った存在じゃない……一切の躊躇も、感情も見せないような化け物と戦おうと思えるほどの経験値も修羅場も潜っていなかった。
■■■■■
「くっ……」
ミリアは地図を広げ、爪を噛む。
「また移動するのか?」
「えぇ……ここもいずれ補足される」
マリーの疑問。
それにミリアが頷く。
「こんな方法で私の子たちを折ってくるなんて……一体どこなら……」
戦っていない。
ミリア子飼いの子とアルミス子飼いの子は一度としてぶつかっていない。
しかし、ミリア子飼いの子たちは続々と戦線を離脱して行っていた。
徐々に自分たちに近づいてくるアルミスの子飼いの子たち、どんどん減っていく自分の子飼いの子たち。
そんな現状にミリアは頭を悩ませていた。
「……早く、別のところに行った方がいい。アルの特別作戦部隊の子たちの独特の足跡が上から聞こえてくる」
マイペースにくつろいでいるマリアが突如として口を開き、ミリアへと視線を向ける。
「……ッ!?もう上に!?は、早く移動するわよ!」
マリアの言葉。
それを受けてミリアは慌てて地下通路を使って移動を開始した。
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