第12話 三竹くんの食生活

「作ってくるから、三竹くんは座ってていいわよ」


「いや、僕も手伝うよ」


「買い物に一緒に行ってくれたし、本当になにもしなくていいわよ。三竹くんはあくまでお客様なんだから」


「そんなわけにはいかないよ。これでも僕は加藤ちゃんと同じで一人暮らししてるんだよ?料理の大変さもわかるから手伝わせてよ」


「たしかに、………でも三竹くんっていつも教室でコンビニ食ばっかり食べていない?」


「実は僕、朝起きれないんだよね」


「よく知っているわ」


「一人暮らしを始めるときに自炊をしようと思って調理器具は全部揃えたんだけど。最初にお昼に肉じゃがを作ろうと気づいたら………夜だった」


「結局その肉じゃがは完成したのかしら」


「うん!豚肉が神々しい黒になって、じゃがいもは気づくときにはとけてた」


「…なんでそうなるのよ、半日ずっと煮込んでたとか」


「ううん、20分くらいなはず」


「まさか、それ以降コンビニ食しか食べてないとは言わないわよね?」


「ちゃんとスーパーの総菜も買ってるよ」


「………この私が今まで気づかないなんて、失態だわ」


「なんか、言った?」


「ええ、言ったわ。おぼえるわよ」


「?」


覚えるわよ。ついでに三竹くんが自分で簡単な料理ができるように、私がみっちりたたきこむわ」


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