心霊庁捜索課保護係
ヒロロ✑
第0話プロローグ
不動公平には特に夢なんて無かった。
だから安定した公務員になろうと思って公務員試験を受けたら総務省消防庁に決まった。
ケースワーカーとして汗水垂らして働くかと腹を決めた矢先。
───しかし、なぜか回された部署は幽霊を扱う「心霊庁捜索課保護係」へ入庁していたのだった。
───霊感ゼロだというのに───
二〇三七年──
南海トラフ巨大地震のあった年から突然、幽霊の目撃情報が増えた。
今では国民の三分の二が視えたり感じたりするようになる。
時の政権も心霊現象を認め、心霊庁を創設させた。
不動公平は、大地震の前の国民達と同じ視えない側のいたって普通の凡夫であった。
心霊庁に入庁してから地元を離れて功徳市へ越してきた。
ここは地震の爪痕も酷く、復興支援はまだまだだ。
その分、多くの浮遊霊が漂っている。
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