ループ勇者 次日を妨げる女神の呪い
赤はな
第1話「始まりの村から出られません!」
とうとう明日は16歳の日。
幼い頃、父とした約束は未だに鮮明に覚えている。
(覚えているのは言われたことだけ)
「勇者としてこの世に産まれたのなら、神の命に従い仲間を集め、魔王を倒せ。」
そんなゴミクズみたいな約束だ。
産まれた瞬間から神様の駒(奴隷)とかふざけているだろ!と思ってしまうが、これが俺の父親の最期の言葉だと思うと笑えてくるwが実際魔王や魔物達のせいで、罪なき人達が苦しんでいると周りの人からまるで、洗脳の様に何度も何度も何度も何度もな〜んど言い聞かされてきた。
それほど勇者という存在は人々に希望を与えられ、救える存在らしいのだ。
さぁ初っ端から重っ苦しい前振りはどうでも良いだろうから話を進めよう。
やぁ俺の名前はロイン・クレイ。とうとう明日は俺の16歳の誕生日。この村では基本的に16歳になっても旅に強制的に行かせられる義務はないが、俺はまだこの世界をまっったく理解していないし、経験していない。だから旅に出るという訳だ。あとついで困っている人を助けて色んな人達(美人)にチヤホヤされたい。
そんなこんなで俺は旅に出ることを決めたんだ。今の時刻は夜の10時30分。明日はとうとう待ちに待った16歳の誕生日だ。けれども楽しみにしすぎてはいけない。外の世界は弱肉強食、いつ食い殺されても不思議じゃない。
それに忘れ物をしたから戻ってきたはいくらなんでもダサすぎる。今のうちに持ち物の確認をしておこう。
剣は、、大丈夫。ちゃんと手入れしていたせいか、ちゃんと刃こぼれ一つない綺麗な刃だ。
服は、、大丈夫。破けているところもないし問題はなさそうだ。
薬草は......
数十分後
うん。とりあえず一通り大丈夫そうだ。明日に備えて早く寝ようと思い布団に潜る。
不思議なワクワク感に満ち溢れ気がつかないうちに俺の視界は闇に染まっていった。
「夢の中」
????
「聴こえていますか?勇者ロインよ」
真っ暗な視界の中薄っすらと見える輪郭と脳内に直接はなしかけているようのか変な感覚だがとても綺麗な声.....俺は状況がわからず、少し戸惑いながら聞き返してみる
ロイン
「え、えっと、あなたはだれなんですだ?」
戸惑ったせいで少し変な感じにで話してしまった。
????
「私は女神です。名前は教えられませんが、あなたは私の私利私欲のため、あなたに追加の固有スキルを与えられることになりました」
ロイン
「えっ、本当ですか⁉︎よっしゃ、それでどんな固有スキルなんですか?」
俺は普通に喜んだ。ついさっきまで神様の駒なんてふざけているだろ!と思っていた奴が何言ってるんだよ!と思ってしまうが、まぁ正直貰えるもんは貰っといた方が良いからな。どうせデメリットだって都合の悪い魔王を倒せとかだろうし、それを考慮しても強いスキルを手に入れれば簡単だろう、と考えていると、さっきした質問が返ってくる。
????
「それはですね、繰り返す日々(ループデイズ)と呼ばれるスキルですよ。嬉しそうにしていてなによりです!」
女神はそう言いなんとなくだが、笑っている?ように見えた。そしてそれを聞いてなんだか嫌な予感が脳裏を走る。
ループ、意味は外の言葉で輪状、繰り返し。
俺は恐る恐るスキルの詳細について聞いてみる。
ロイン
「あの〜スキルの詳細について聞きたいんですけど.....」
????
「そうですよね!聞きたいですよね!そのスキルの効果は、①特定の行動をしないと同じ日をループします。気をつけましょうね!②もし死んでしまってもループします。パクってもありませんし安心して死んでくださいね!③ループに制限はありません。しっかり隅から隅まで調べましょうね!④もともと持っている固有スキルにはなにも影響しませんご安心下さいね!
以上で説明を終わります!他に質問はありますか?」
あぁ、ヤバいな、これ。どうしよう。ちゃんと地獄だ、時々見る無限地獄で苦しみ続ける運命に会ってしまうほど強力なヤバい奴じゃねぇか!ヤバい速く拒否しないと
ロイン
「拒否します!」
????
「無理です!」
ロイン
「チクショウ!」
あ〜ヤバいよ〜母さァーン助けて〜
????
「じゃあ、もう説明もしましたし、夢から覚ましますね。またどこかで〜、あと友達を大切にね〜」
ロイン
「あっ、ちょっとま」
〜ループ〜
ロイン
「ぶはっ、はぁはぁ」
窓から日が指す。どうやら悪い夢を見ていたようだ。俺は着替えて1階の食卓へ向かう。
ロイン母
「おはようロイン。とうとう明日は16歳。遂に旅にでるんだね。」
母さんは俺に朝飯をだす。
ロイン
「うん。そうだね、楽しみだよ。」
俺はどうやら今日をループしているようだ。でも何故だか驚きはあまりなかった。それは勇者という職業のせいか、それとも主人公補正で夢じゃないことが本当と分かっていたからか、どちらにしろ俺が行動しない限り、このループは終わらない。
本当は今日一日中装備の手入れと用意をするつもりだったが、こうなったのなら、もう諦めるしかない。
とりあえず俺は朝食を食べ、どうするか考える。
やはりしらみ潰しにひとを当たっていくしかないか?だけど村の人、俺のことを勇者という理由でなんか無駄な説教じみたことを長ーい時間話すからマジで関わりたくないんだよな.......
まぁ悩んでいても仕方がないと思い、俺は朝食を平らげ、外に出ようとすると、
ロイン母
「何処へ行くの?ロイン?」
ロイン
「旅に出る前にちょっと別れの挨拶的なことをしようかと思ってさ」
ロイン母
「そう....あなた村の人嫌ってなかった?」
ロイン
「えっと、まぁウザかったけど最後ぐらいは一応と思ってさ」
ロイン母
「ふぅん、じゃあ行ってらっしゃい」
ロイン
「行ってきまーす」
俺は逃げるようにドアを開け、外に出た。
なんで母さんはこんな時ばっかり勘がいいのかな?マジでやめてほしい。あ、でも割と今までもおんなじ事あった気が.....
まぁいいや都合の悪いことは忘れよう。
とりあえず面倒臭そうな話をするであろう人から当たろう。
俺は家のドア前から少し歩いて村長の家へ向かう。
「村長の家」
ドンドン ドンドン
ロイン
「おーいク村長ー勇者様が来たぞー、お茶出せ菓子出せお前は出てけー!」
どさどさ
村長
「なんじゃなんじゃ?おぉクソガキ!どうしだんじゃ?」
ロイン
「いや、明日旅に出るし別れの挨拶でもと思って....」
村長
「おぉ、わしの話を聞きに来たというわけじゃな。さぁさぁ上がるんじゃ」
(コイツ耳と頭腐ってるんか?)
俺は疑問に思いながら村長の家にあがる。居間に通され俺は正座をさせられる。
村長婆
「お菓子とお茶です。ごゆっくりどうぞ」
ロイン
「ありがとうございます」
ク村長の嫁さんが俺にようかんとお茶を出してくれた。ク村長の嫁さんどうしてこんなろくでもないクソ老害と結婚してしまったんだろうか?道徳心もなけりゃ人の気持ちも考えられないクズやぞ?まぁ俺も大人になったら分かるかも知れないな。
ク村長
「そろそろお前に勇者のなんたるかを教えてやろう。まず勇者の伝説から話そう。古の勇者はとても強く、なんと1人で魔王を倒したんじゃ。流石じゃのう。その後勇者は1国の王女と結ばれ、その国はとんでもなく強い国になったんじゃ。それから......」
まーた始まったよク村長の勇者伝説。全くこんなくだらない伝説になんの価値があるんだろうか?まぁこれのおかげで目を開けたまま寝れるというスキルを手に入ったという点では感謝すべきなんだろうが。それじゃあおやすみなさぁーい
10時間後
ク村長
「......というわけじゃわかったか?」
ロイン
「うん、まぁまぁ分かったよ。それじゃあ俺はこれで」
あぁチクショウまさか途中で寝てるのに気づかれてもう一回おんなじ話をされるとは、(2回目もしっかり寝ました)にしても朝8時に出たのに今は午後の6時15分じゃねぇか。
はぁとりあえず、あと1人に話しかけて今日は終わろう。
えぇと確かアイツは......あっ、いたいた
ロイン
「おーいパープルー!」
パープル
「?何かよう?ロイン」
あのヤバそうな男には見えない奴の名前はパープル・フレイム、男なのにツインテール&女みたいな顔&よくわからないクールみたいな感じとリアルではゼッッッタイ居ないタイプのヤバい奴だ。左手が真っ黒で他の村人から避けられてきたが本人はちっとも気にしてないみたいだ。
ちなみに彼と俺はどちらとも唯一の友達で小さい頃からずっと争ってきた。そんな仲がいいような関係だ
ロイン
「いやさー、明日俺旅立つじゃん?だから一応挨拶しておこうとね」
パープル
「はぇーそうなんだ。奇遇だなぁ。僕も明日に旅に出るつもりなんだけど」
ロイン
「奇遇?あれ?俺が誕生日に伝えたこと無かったっけ?」
パープル
「言われてない気がするんだけど......」
ロイン
「そうか、言ってなかったのなら仕方ないなもしよかったらでいいんだけど、俺と一緒に旅にでない?」
パープル
「う〜ん、いや、いいや。僕と君ではライバル関係が丁度良いんじゃないかとおもってるからね。でも誘ってくれて嬉しかったよ。有難う」
ロイン
「そうか....まぁ確かにそれくらいが丁度いいかもな。まぁ気が向いたら仲間になってくれ!じゃあな!」
パープル
「うん。じゃあね」
俺はパープルに別れを告げ、帰路に着く。
パープルは剣の技術が凄いから仲間にできたらよかったけど、まぁライバル関係はカッコいいし、これはこれでいいかもしれないな。
そう思いつつ家に着いた」
ロイン母
「お帰りなさい。ご飯できてるよ。今日はロインの旅立ち記念としてサイコロンバードのテリヤキステーキよ」
ロイン
「わかった。今行くよ」
俺は食卓へ向かい、夜飯を食べた。やっぱり母さんのテリヤキステーキは最高だな!俺は自分の部屋に戻り明日の準備をした。
流石に村長の話も聞いて友人兼ライバルに挨拶もしたし大丈夫だろうと思い俺はベットに向かい就寝した。
〜ループ〜
ロイン
「う〜ん?」
俺はベットから起きた。
とうとう今日は俺が旅立つ日だ。俺は少しテンションが上がりつつも静かに荷物の準備をする。俺はルンルン気分で玄関に向かう途中
ロイン母
「あら?おはようロイン。どうしたのそんな荷物を持って?誕生日は明日よ。」
ロイン
「えっ?...あっ、そうだったね。うっかりしてたよ」
ロイン母
「全く、しっかりしなさいよね(笑)ほら、速く朝ごはん食べちゃいなさい」
母さんはそう言い少し微笑む。
あれ?おかしいな。重要そうなやつはあらかた見つけたと思うんだけど.....はぁ面倒くさいけど村内のBBA達にも話しかけてくか。
俺は朝飯を食べ終わり、イベント潰しを始めた。
BBA1
「勇者らしくなってきたじゃないこの調子で頑張ってね、それから.....」
〜ループ〜 (3日目)
オッサン1
「もっとお前は男らしくなれよ友人なんだからさぁ〜」
〜ループ〜 (4日目)
ロイン
「もう誕生日まで待てない!もう村から出てやる!」
〜ループ〜 (すっ飛ばして7日目)
あー、ヤバい。流石に辛え。また別のBBAに捕まった。寝て過ごしたけど、話おんなじだったし、ループの弊害がモロに出てるやないかチクショウ。いつかあの女神を〇〇◯してやる。
はぁどうしようかなぁ。あっそうだ!忘れてた奴が1つ有ったキガス。
俺はそう思い出し、少し道外れの所へ向かうと、少し進んだ所に、向かう。
「廃れた家」
ロイン
「よぉ!ライグじぃ元気にしてた?」
ライグ
「なんじゃ若造、ここはお前が来るような場所じゃ無いぞ。」
ロイン
「まぁまぁ、いいじゃ無いか。今日は明日俺旅に出るから別れの挨拶をしにきたんだよ」
このボロボロな服を着た爺さんはライグ。
7年位前にこの村に来た人で捨てられてたパープルを拾い育てた人で、俺の剣の師匠だ。
師匠を忘れるとはどういうことだ!と思われるが、全くその通りなんだけど、2年ぐらい前喧嘩して以来なんか会うのが気まずくて、そのまま忘れていったというわけだ。
当時9歳のパープルの左手に周りがきみ悪がっている中唯一救いの手を差し伸べた人だ。
ライグ
「そうか.....わしからは何も言うことは無い。お前の好きなように進め」
ロイン
「あぁ、もちろんそのつもりだ。いつかまた会って元気な顔見せてくれ」
ライグ
「わしはそんなジジイじゃ無いわい」
何故だかライグじぃは少し微笑んだように見えた。俺はそれが終わると家に戻った。
「クレイ家」
ロイン母
「お帰りなさいロイン。ご飯出来てるよ」
ロイン
「はーい!今行くよ」
俺は食卓へ向かう。流石に7日連続テリヤキステーキはきつい。俺は夜ご飯を食べ終わると自室に戻り荷物の準備をし、ベットに潜る。
2時間後
ロイン
「寝れねぇ」
BBAのせいでなかなか寝れない。せっかくだし夜の散歩でもしようと思い家の外に出て少し歩こうと思い、外に出ると、
ロイン
「あれ?パープルどうしたんだ?」
そこに見慣れないフード姿のパープルが居た。
なぜなのか疑問に思っていると
パープル
「どうせ明日は君の送りで夢中になるだろうから、僕はお邪魔虫だ。そこで夜にしたわけだよ」
なるほどと俺は納得した。
この村の奴は勇者に異様に固執している。パープルが邪魔虫にされるのも予想がつく。
俺はパープルの言ったことを理解し、最後に約束をした。
ロイン
「いつかどっちが強いかはっきり決めよう。たがらさ....死ぬなよ」
パープル
「うん。そう簡単に死ぬつもりもないしね」
俺とパープルは見つめ合い約束するとそのまま家に戻った。去り際のパープルの横顔が少し嬉しそうだったのを鮮明に覚えている。
それからはベットに戻り軽い武器の手入れをしてから就寝した。その際手入れしたと判るように青い印をつけておいた。
「次の日」
ロイン
「ふぅわぁおはよう〜」
朝起き俺は窓を見るとどうやら早朝で村は静かな雰囲気だった。
俺は手入れしておいた。剣を見ると確かに青の印が付いてあった。
俺はそれを確認すると荷物を背負い家から出て村の入り口へ行き、こんな独り言を呟いた
「行ってきます」
俺はそれを言い終わると村を出て獣道を進んで行った。
これから沢山の困難が待ち受けているかもしれないけどループと頭で乗り越えて行くぞ!という決意をして.....
自己満紹介〜ロイン編〜
- ロイン・クレイ
16歳・身長169センチ、性別、男
髪型ショートヘアー、黒色
固有スキル・勇気ある者(ブレイブ)
どの勇者にも共通するスキル。
本作の主人公。
よく見かける冒険者っぽい服をまとっている
性格は明るいが少しクズっぽい。
女神様にループする呪いをかけられてしまった哀れな少年。
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