隕石落とし



かつて、恐竜が地上に君臨していた頃、地球に直径10kmほどの隕石が衝突した。


直径12742kmの地球に対し10km。

それで地球環境は激変し、恐竜を含む75%もの生物が絶滅したという。


ならば、その10倍。

直径100kmの隕石を落としてやったら人類はどうなる?


生き残れるかな?


直径が10倍なら体積は10の3乗。

すなわち1000倍になる。


うん、無理でしょ。

確殺だよ、これ。


というわけで。


逝け、人類。忌まわしき欲望と共に。


抵抗は無意味。

核ミサイルをぶつけたくらいでどうにかなるような質量ではない。


隕石は太平洋の中央辺りに落下。


直径100kmの隕石の衝突に対し、最大水深10km程度の海水など緩衝材にもならない。


隕石は瞬時に海底へと到達。

高さ数万メートルにも達する地殻津波を引き起こした。


無数の岩石が成層圏を突き抜けるほどに舞い上がり、宇宙空間にまで飛散する。


飛散した岩石が地球の重力に引かれ、再び地上へと降り注ぐ。


これだけなら落下地点の裏側に住んでる人たちは無事ではないかと思うかもしれないが、そうはいかない。


落下した隕石が岩石蒸気となり、数千度もの熱を発生させる。

その熱は、やがて地球全土へと広がっていく。


雪や氷は溶ける前に蒸発。

森林は瞬時に発火。

ついには、海水をも沸騰させる。


地表の平均気温は数百度に達する。

地下シェルターに避難したところで長くは保たない。


この衝突でなお生き残るのは、地中の奥深くに潜む微生物くらいだ。


初日にしては、ちとやり過ぎたかな。

勢い余って人類どころか地上の生物絶滅させちゃったよ。


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