42話 世界樹の中

42話 世界樹の中


ジャイアント・トレント・ツリー、通称『世界樹』の幹の方にやって来た聖一達。


世界樹から凄く近い場所にワンダーエルフ族の村がある。


根っこが所々隆起して苔がむしている。


(ほえー、なんて幻想的なんだ。)



ワンダーエルフ族の村に入る。


「あれ、シャマじゃねぇーか!!」


「シャマだー!!」


久しぶりに里帰りするシャマに村人達が興奮している。


すると奥からシャマに雰囲気が少し似ている中年のスラッとした美形の男性がやってくる。


「よく来たっしょー!シャマ!久しぶりっしょー!!!」


「オヤシャマ!久しぶりでありますです!!聖一さん!紹介しますお父さんです!」


「シャマのお父さん?!どうも!よろしく!」


どうやらシャマのお父さんのようだ。


「お父さん!この人はビッグバンベヒーモスを討伐した聖一さんでありますです!」



「おぉー!君が聖一くんかー!!

シャマをいつでも貰ってくれて良いっしょー!」


「ごふごふー!」


聖一の背中をバシバシ叩くオヤシャマと咳き込む聖一であった。



「ここからが本場っしょ。世界樹に所々赤い筋みたいなのが張り巡らされてるのがわかるっしょ?」


(でかーい木の所々に血管みたいなやつがある。あれだ。)


「あれかな?」


「あれが自分で吸いきれなかった邪素っしょ。まもなく破裂寸前なくらいパンパンっしょ。破裂したら暴走するっしょ」


(まじか、結構パンパンじゃん!)


「暴走はどうやって止めればいい?」


「シャーマンであるシャマが、中に入って木水晶の邪素を振り払えばいいっしょ。でも中は邪素が溢れかえってダンジョン化してるっしょ。」




暴走を止めるには中に入って木水晶に溜まった邪素を浄化するしかないようだ。



「わかった。とりあえず行ってみるよ。」


「お父さん!行ってくるでありますです!」


聖一、シャマ、マホ、ハネビが木の根にある、入り口のようになっている所に入っていく。


中は高さも広さもかなりある。東京ドームくらいの大きさはある。



(世界樹のダンジョンかー。中広いなー。ん?階段があるな。あそこを登って制覇してどんどん上にいけば良いのかな?…うわ?!)



木水晶にたどり着くために階段をあがっていく。階段をあがって最初の階層にたどり着く。


するとワータイガーが100匹ほど現れて襲いかかる。


「おんどりゃー!」


「ピンポイントブラックホールアタック!!」


「精霊弓!!」


ものの5分で100匹ほどいたワータイガーを制圧する3人。


空間の上の方に逃げていたハネビが降りてくる。


「ヤバイ数なのよー!」


「これ多分階層をあがるごとに敵のランクもあがるです。」


「まじかー。これ俺たちだけでは手におえないなー。よしハネビ!ワガマチに戻り応援呼んできてもらえるか?…俺たちは皆が来るまで少し休もう。ランクが高い敵に数で押しきられたらこの人数じゃ対応できないからなー。」


「わかったよー。」




とてもじゃないが4人で手に追える状況ではないと判断した聖一。


ハネビは急いでジャイに知らせに行く。


(さて俺達は最奥の木水晶まで無事たどり着けるだろうか。)

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