外伝 守護天使とビッグバンベヒーモス
外伝 守護天使とビッグバンベヒーモス
私はこの世界の守護天使。
神様にこの世界を守るようにいわれ産み出された存在だ。
神様はこの世界には直接関与できないらしい。
因果律がどうとかおっしゃっていた。
ちなみに神様は私のことをガーディアンエンジェルのエルとお呼びになる。
普段は人間たちには見えないように雲の上を飛んだり、海の深いところを泳いだりしている。
空を飛ぶのも海を泳ぐのも、たまに陸地を歩くのも大好きだ。
私はこの世界が大好きだ。
あぁそれにしても、この世界は綺麗だ。
美しい魔素が満ちている。
大きなマナの木がそびえ立っていてそこから魔素が広がっている。
魔物から生まれる邪素もこの大きなマナの木が吸ってくれる。
あまりにも大きな邪素が魔物から溢れ出ることがない限りこのマナの木が永遠にこの世界を浄化してくれるだろう。
つまりこの世界は平和だ。
そう思っていた。
ある日、人間の城くらいの大きさの魔物が5体同時に現れた。
そして人間の豪邸くらいの大きさの魔物が1体現れた。
この豪邸くらいの魔物は山椒魚のような形をしていた。
豪邸くらいの大きさの魔物は人間が倒すと思って放っておいた。
城くらいの大きさの魔物を神様からいただいた光の槍で殲滅していった。
ここで突然変異的な出来事が起きた。
5体の魔物の邪素は空中を漂いマナの木の方へ向かっていた。
しかしマナの木に到着せずに山椒魚の形をした魔物が吸い込んだのだ。
みるみるその魔物は凶暴化していき巨大化していった。
私は危機感を覚えて戦いを挑んだ。
光の槍を山椒魚の魔物に放つも、予想以上に素早く槍が掴まれてしまう。
私はまた光の槍を生み出す。
投げる。
掴まれる。
生み出す。
投げる。
掴まれる。
4本の腕で防御に回られると、槍を生成して投げるスピードが追い付かない。
今度は槍が掴まれないよう、近づいて放つ。
しかし、4本の腕を器用に使うので槍を突き立てることができない。
なかなかしぶとい魔物だ。
足から狙ってみようかと考えていた、きっと少し油断していた。間合いをもう少しとるべきだった。
槍を振りかざして足に向かって投げようとしたとき、スゥーと伸びた手に私の体はすっぽり入り、ギュッと握られて身動きがとれなくなった。
とうとう私は掴まってしまった。
そしてその魔物に食いちぎられる寸前に最後のエネルギーを振り絞って脇腹の肉片に全てを込めた。
いつか
いつか
この凶暴で巨大な悪夢を倒してくれる人間が現れる。
その時を待ちながら…。
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