33話 ビッグバンベヒーモスの体内

33話 ビッグバンベヒーモスの体内


ビッグバンベヒーモスの口から体内に入ろうとする聖一。


少し遠い距離にハネビが飛んでいるのが目にはいる。


「ハネビーー!!伝令頼む!!マホとシャマに10分足止めしてくれと伝えてくれーーー!」





ハネビは了解の合図で親指を立ててマホとシャマの元へ向かう。


(よし、ほんの少しくらいしか持たないだろうが力場でビッグバンベヒーモスの動きを阻害しておこう!)



「力場力場力場力場力場!」


手の付け根等、壊しづらくて嫌な場所に力場を設置する。


(よし準備OK!行くか。)


シャマとマホで足止めをしてもらっている間にビッグバンベヒーモスの体内に入る。



「まあでかい化物は中から倒すって昔から決まってるからな。」



意味のわからない事を呟きながら口のなかに入る聖一。



食道であろう広くて長いウォータースライダーみたいなところを、シューと滑り降りていく。



(ヌルヌルしてあったかい。食道ということを考えなければ凄く気持ちいいなぁ。)



食道ウォータースライダーが終わり、開けた空間にヒューと放り出される聖一。


ぼすん、と尻餅をついた。


「うわっ!いてててー。」




回りを見渡す。




「なんだこれ?ずいぶん巨大な空間だなー。ん、なんだ?ずいぶん先の方に遺跡があるぞ。」


(向かってみるか。)




ビッグバンベヒーモスの中には空間が広がっていて、ずいぶん先には遺跡のような建築物があるようだ。




「いやーすごいな。腹の中なのに。あ!先に進むよりも、まずは倒さなきゃな。マホとシャマがやばい。お腹の中から外に風穴を開けてやる」




ピッケルを胃袋であろう地面に突き立てるがガキィン!!と弾かれる。


(かったー。踏んだ感じブニブニしてるのに刃は通らなくなってんのかよ。一応ダガーとククリナイフでも…)


こちらもガキィン!ガキィン!と弾かれた。


「まじかよ。固すぎるだろ。」



頭に優しい声が響いたからな。とにかく先に進んでみたらなにかわかるかもしれない。


途中巨大な池がある。砂ぼこりがその池に落ちるとジュワジュワと溶けていく。


(胃酸かな。落ちたらアウトだけど迂回もしてられない。)


ジャンプをして力場を形成してまたジャンプ。胃酸の池を飛び越えていく。



池を越えると頭の中に


……遺跡のなかへ……


優しい声が直接聞こえてくる。


(俺と少年を異世界に呼んでくれた優しい声。この先に何があるんだろうか。)


少し進んで遺跡の前に到着する聖一。


(アンコール・ワットみたいな雰囲気だなー。)


階段をあがり入り口に到着する。


「しかしなんで胃袋の中に建物があるんだろう。」



階段をあがると遺跡の全貌がなんとなくわかる。


(屋根のないドームみたいな感じだな。橋があるけど崩れ落ちてるな。)


入口から祭壇らしきところまで橋が通っている。しかし途中で崩れ落ちている。


下は胃酸の池になっていて落ちたら溶けてしまうだろう。


ドームの回りを囲むように20メートルくらいの巨大な阿修羅像が何体も立っている。


(回りの阿修羅像を伝って祭壇まで行くかどうしようか。)


「いや、外ではマホとシャマが足止めしてくれていて、仲間たち皆が必死に時間を作ってくれている。橋を通って前に進む!!」


(さて俺は無事祭壇にたどり着けるか、祭壇には何があるのか、ビッグバンベヒーモスを倒すことはできるのか。)

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