今を生きる
「なあなあ、コレ見てみ!」
夕陽が差し込むいつもの教室。
オレは友人である加里屋祐壱(かりやゆういち)にスマホの画面を見せる。
そこにはTwitterのトレンドの画面が写し出され、 『#ひって打って出てきた言葉が10年後の姿』のツイートが踊る。
「お前こんな時にツイッターかよ!」
笑いながらどついてくる。
明らかに力を感じないので、じゃれているだけだとすぐにわかる。
「いいじゃんかよ〜! 息抜きしたいんだよ! オレは!」
「お前、いつも息抜きばかりやん!」
祐壱がまた笑いながらつっこむ。
「うるせ〜よ! なあ、ちょっと真面目な話。10年後なにしてるのかな。オレたち」
「さあな。だかな! 1つ分かることがある!」
ドヤ顔で祐壱が言った。
「おれは今を生きてるんだ! 10年後なんて知らねぇよ!」
「祐壱かっこいいー!!」
ヒューとならない口笛をオレが吹くと、また祐壱が笑う。
そして、しばらく2人で笑いあった。
「笑った笑った! じゃあ、行くか」
そして、オレは教室の引き戸を開ける。
廊下から見える窓。その眼下には小さな中庭が広がっているが、そこには蘇る死体ーーーーいわゆる、ゾンビが跋扈していた。
中庭だけでは無い。ここの学校周辺にはもはやゾンビしかいないと言っても過言ではない。
ふと廊下の先に目を向けると、ゾンビの群れが1歩、また、1歩と近づいていた。
これを倒さなければ、家にも帰れない。家には待っている人がいる。
オレたちはマンガのような「うおおおおぉ」という叫び声を上げて、ゾンビの群れに突っ込んだ。
END
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Twitterのトレンドにあった「ひって打って出てきた言葉が10年後の姿」からイメージ膨らませて作成しました。
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