ゲーム1:早織の好きなところ出し
健吾『え、ちょ、待て待て待て。これは、さっきの決意表明がゲームになったってことか?』
伊織『そうですね』
勝太『なら、第一ゲームはもう終わっちゃってるじゃないっすか』
伊織『でも、良いんですよ。実際、ただのゲームじゃなくって決意表明だし。それを最初のゲームを盛り上げるのに利用しただけです』
健吾『いや、それはない。それならもっとちゃんと決意表明考えてるわ』
伊織『口出し無用』
健吾『.·´¯`(>▂<)´¯`·. 』
伊織『o(* ̄▽ ̄*)o)
弘人『それより、さっさとゲーム始めない?』
勝太『たし蟹』
伊織『分かりました。じゃあ、早速始めますね』
伊織『第一ゲームは~~~~~~!!!!』
伊織『早織の好きなところだし、で~~~す!!!!』
健吾『???』
伊織『説明しよう!』
健吾『はやく』
伊織『このゲームは早織の好きなところを五分間でできるだけたくさん、そこらにある紙に書き写して、それの写真を送ってもらい、一番たくさん早織の好きなところや良いところを見つけられた人が一位!! というゲームです。ちなみに、書けた数が少なくてもきゅんとするフレーズが書けてたらボーナスポイントプレゼントです♡』
弘人『了解です』
勝太『♡ミ(ーo^)』
健吾『勝太、その顔文字キモイ』
伊織『対抗相手に悪口言うの、減点ですけどどうします?』
健吾『ごめんなさい』
伊織『はい。次からは減点だからね~!』
伊織『それでは、ゲームを始めます!!』
伊織『それと、ルール変更!! それぞれ、私とのトークで送ってもらうね♪時間過ぎてから送ったやつは減点です♡』
伊織『だから、ヨーイドンしたらすぐに私のトーク画面開いて早織の好きなとこひたすら送ってね! 一つのLINEで一つの好きなところの扱いになりま~す』
勝太『了解です!』
伊織『それでは始めます! ヨーイ、ドン!!!!』
健吾はただただ本能に従って伊織に早織の好きなところを送っていた。
――このゲーム、意外とムズイな……。
健吾『カワイイ』
健吾『賢い』
健吾『人気者』
健吾『リーダーシップある』
健吾『誰とも喋れる』
健吾『スポーツできる』
健吾『いつでも元気』
あと、これ以外に何があるっけ? 健吾の頭は早くもパンクしそうになってきた。多分、時間はまだ三分ほどあるはずだ。どうする、みんなもっと出してるはずだ。ヤバい、ヤバいぞ。
健吾『みんなに好かれる』
健吾『いつも俺をキュンキュンさせてくれる』
健吾『俺の初恋の相手になってくれた』
健吾『俺のサッカーのことを褒めてくれる』
最終的に、こんなことしか出てこなくなった。
もう、ダメだ。このゲームは俺の負けだ。
弘人は迷っていた。
早織の良いところ、好きなところなんかいくらでもある。なら、まず何から書こう。これは書いても良いのだろうか。これはもう少し具体的に書いた方がいいのではないか。
優柔不断な弘人は様々な考えが浮かんできて、全然書けない。
――マズい、これなら僕が最下位だ……。
弘人『お茶目な目』
弘人『恋眉毛』
弘人『白い肌』
弘人『人を引き寄せる力』
弘人『メイク』
弘人『茶髪が可愛い』
弘人『いつでも元気』
弘人『みんなと喋れる』
弘人『誰とでも仲良くなる』
弘人『みんなに敬意を表す』
弘人『テストの成績がいい』
弘人『みんなの見本』
弘人『みんなをリードすることができる』
弘人『みんなに優しく接することができる』
他に何も思い浮かばない。もうほぼ出しちゃったからな。結構時間かけたし。
――あ、タイムアップだ。
勝太は結構書いていた。
思いついたことをそのまま書く。人の良いところを見つけるのは得意だ。何なら、それが勝太の人気に火をつける要因の一つなのかもしれない。
早織の良いところは外見と運動、学習、性格だと思う。
その四つの中からまんべんなく良いところを出していく。
勝太『ファッションセンス凄い!』
勝太『メイクが上手!』
勝太『髪の色とかすごい良い!!』
勝太『リーダーシップがある』
勝太『誰にでも同じように接することができる』
勝太『クラスの人気者』
勝太『誰にでも話しかける』
勝太『誰とでも仲良くできる』
勝太『授業でたくさん発表する』
勝太『テストの成績がいい』
勝太『勉強教えてくれる』
勝太『誰にも嫌われない』
勝太『水泳上手』
勝太『体操もとても上手』
勝太『走るのも速い』
勝太『文武両道』
勝太『表現力が良い』
勝太『様々な言葉を知ってる』
勝太『インターネットについてめっちゃ詳しい』
勝太『ラジオDJになりたいらしい。めっちゃ向いてる』
勝太『話し上手』
勝太『変顔が面白い』
勝太『姿勢とか態度がいい』
勝太『クラス委員とか立候補する勇気がある。将来生徒会長になりたいらしい』
勝太『人をたくさんときめかせてくれる』
伊織『タイムアーップ!!』
伊織『それじゃあ、結果発表をしま~す♪』
健吾『ドキドキ』
勝太『自身◎』
伊織『まず、弘人君!! 十四個!!』
勝太『おぉ~』
伊織『次、健吾君!! 十一個!!』
健吾『あーあ』
伊織『最後は勝太君!! 二十五個!!!! よって、優勝は勝太君で~す!』
弘人『うそ、えぐっ!!』
健吾『はぁ? 最下位かよ涙』
勝太『万々歳』
伊織『んで、ボーナスポイントの発表で~す。弘人君一ポイント、勝太君五ポイント、健吾君五ポイントで~す♪』
伊織『それじゃあ、また明日のゲームでね♡』
一位、勝太・三十五点
二位、健吾・十八点
二位、弘人・十八点
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます