はぁ!?今更やり直したい?あれから何年経ったと思っているの?
つくも茄子
第1話女侯爵1
「
求婚者は跪き、真っ赤なバラの花束が目の前に差し出してきました。こんな時、顔が良いのは得だとつくづく実感します。
「ヘンリー、今更だわ。あれから何年たったと思っているの。12年よ。あの騒動から12年も経っているわ。その間に私も結婚して子供もいるわ。知っているでしょう?」
私に断られるとは思わなかったのでしょう。
見るからにショックを受けています。
まさか自分が求婚すれば私が喜んで受けるとでも思っていたのでしょうか? 考えが幼稚すぎます。それが通用するのは未成年の子供
「だ、だがダイアナ。君の御夫君は亡くなっているじゃないか。君は独り身だ。結婚
「確かに、私の夫は一年前に病で亡くなりましたわ」
「だったら!」
「だからといって、何故、貴男と結婚しなければならないのかしら?いいえ、そもそも私が再婚するかしないかは私自身が決めるものではなくって?誰かに指図されるものではありませんわよ」
「それは……そうだが。僕たちは婚約者同士じゃないか」
「
「……覚えている」
「それは良かったですわ。てっきり忘れていらっしゃるのかと思ったではありませんか。まさか学園で何時の間にか可愛らしいお嬢さんと
「す、すまなかった」
アホな事を言いに来た元婚約者は肩を落として帰っていきます。
その後ろ姿は嘗ての貴公子然とした姿はなく、草臥れた中年のようでした。
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