第22話 斑鳩露花という女の子
わたしは、
「えっと、うまく説明できないんだけど、わたしね、昔は、高跳びの選手だったの」
「うん、知ってる」
「
「でもね、中一の冬で辞めたの。百六十センチがどうしても飛べなかったから。背が伸びるのがとまっちゃったら、記録も止まっちゃった」
わたしが言うと、
でも、言うことにした。白状することにした。
「わたしは、
だから、わたしは棒高跳びに逃げたの。棒高跳びなら、棒を使えるから、身体のアドバンテージが少ないから……」
そして、「ズルいっ!」って言われた
「スポーツって残酷なんだよ。持って生まれた身体のポテンシャル以上は、絶対に出せない。まあ、努力や才能でカバーできるところはあるけど、身体のサイズだけは絶対に変更できない。だからね、わたしは棒高跳びに逃げたの。わたし、ワガママだから。全国一が大好きなの。『すごいね!』って、チヤホヤされるのが大好きなの」
「知っているよ。
「確かに、レースで負けると、本当にくやしがるもんな!」
「でもね、ハンデキャップがあるからって思われるのはすっごいイヤなの。体が不自由だから、
今度は、
「わたしは、この身体を言い訳につかうのは、だいっキライ!
スッゴイイヤなの。でもね、利用するならOK! ゼンゼンアリ!
今わかったの。
だからわたしは、この身体を利用するんだ!
だれよりもドローンを上手に操作して、だれよりも速く飛んで、みんなから『スゴイね!』ってチヤホヤされたいの!」
わたしの身もふたもない宣言に、
アリアちゃんは。ポカーンとしていた。
そして
「だったら、日本一を目指そう!」
って言った。
え? どういうこと?
「この大会に、うちのドローン部でエントリーしたいんだ」
そう言って、スマホをみんなに見せた。
「なにこれ? めっちゃすごい!」
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