天才VS天才

いつの時代でも変わらない物がある。

それは最強のバッターと最強のピッチャーの対決。

これほど見どころのある対戦は無い。

片や「ホームラン量産機」と呼ばれる天才バッター。

片や「グラウンドの皇帝」と呼ばれる天才ピッチャー。

両者は決勝で交えた。


再試合が始まった。

昨日は九條先輩が18回を2失点と好投するも俺以外に打点が出ず、2打席目以降俺が申告敬遠され打席に立つことができなかったから延長に突入した。

18回の裏危うくレフト線を真っ二つにする打球を甲部先輩がグラブで弾いてしまう。

俺が走って取ってそのままホームに返球したからホームで刺せたけどヒヤヒヤした。

さああいつの投球制限も解除されたしバンバンバット振ってきますか。


試合開始。

第1球ストレート。俺は初球狙いだったにも関わらず打球は真後ろに飛ぶに止まった。 チラリと球速を見る。159km。 初球からほぼ160km台とか笑えねえぞ。

第2球ストレート。手前で落ちたストレートを捉えきれず打球は切れる。

カウントは0ー2だ。臭いとこもカットするか。

第3球カーブ。振りかかったがバットを止める。判定はボール。

あっぶねえ、あれ打っても唯の2塁打やった。

第4球ストレート。カーブの後ということもあり捉えきれない。

タイミングは外されたがカットには成功する。

第5球ストレート。外角に落ちるストレートを見送った。

カウントは2ー2。

第6球カーブ。球速差の影響で捉えきれずファウルとなる。

第7球この試合初めて投じられたスライダーを叩く。

チッ、芯外された。去年より変化量増えてやがる。

まあいいや2塁でストップするか。


分かってはいたが田中先輩と甲部先輩はストレート3連投で3球三振。

兄さんも辛うじて4球目のスライダーに当てたもののショート正面のライナー。

スリーアウトチェンジ。


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