(三)-4

 そこで数馬は左手で持っていた弓を道端に捨て、山刀を左手に持ち替えると、右手で腰に差した刀を抜いた。

「二刀流なら勝てるとでも思ったか」

 右内はそう言うと、再び数馬の方へ突進してきた。今度は上から刀を振り下ろしてきた。

 数馬は両手の刀を交差させてその剣撃を受けた。

 右内はとっさに刀を上げると素早く再び振り下ろした。

 数馬は再び刀を交差させて受け止めた。すると右内はさらに振り上げてもう一度振り下ろしてきた。力尽くで何度も振り下ろし、強引に数馬の二刀流を破りにかかってきていた。


(続く)

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