鍵
音、それは、思い出の箱を開ける鍵。
その音を聞くと、思い出の箱が自然と開く。
目の前に、多くの物が広がり、語り掛けて来る。
その時は、大切さに気付いて無かったけど、今は、ハッキリと解る。
普段は気にならない音。
しかし、鍵の音は、直ぐに解る。
何度も聞かなくても、目の前に、色んなものが広がるから。
明るく楽しい色。
暗く辛い色。
その全てが大切で、涙が出て来る。
もう音は消え、箱も閉じられた。
また、いつか開くかな。
それまでは、しばらくお休みなさい。
今、新しい音が響いている。
それが、鍵となり、今が、思い出の箱に変わる。
何度も繰り返し。
終る事の無い、思い出の箱と音の鍵。
すべては、大切に、仕舞っているから。
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