今日は私のおごり!好きなもん注文しちゃって!

叙述トリック大好きギャル…満74歳現役女

第1話 Thanks to you ! 

「よくやった。頑張ったじゃないか。これからも期待しているぞ!」


 課長にめられた。入社以来多分初めて。私は完全に舞い上がっていた。何故なら、入社以来10数年もの間、上司に叱られたことは無数にあるが、褒められたことなんて一度もなかったのだ。これは誰だって、流石さすがに舞い上がるであろう。


 一方で私は理解していた。今回のプロジェクトが成功したのは、課長が兼務命令で配置してくれた優秀な部下2人が、完璧な仕事をしてくれた成果だってことを。仕事が成功したのは、他でもない2人の部下のお蔭なのだ。実際私は報告だけ受けていて、その他は何もしてなかった、というか、能力的に、何も出来なかったのである。


 課長席から戻った私を歓迎してくれたのは、その部下2人だった。

 私は、迷わず言った。


「あなたたちこの後、何か予定ある?もし良ければ、食事でもどう?勿論もちろん私のおごりよ!」

 ―主任、マジですか?大歓迎です。俺らの大好きなお店があるんですよ。

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