【完結】目が覚めたら1年後にタイムリープして彼女ができていたんだが

猫カレーฅ^•ω•^ฅ

第1話:目が覚めたら美女がそばにいたんだが

「あ……」



 俺は俺の部屋で目が覚めた。いつもと違ってひどく具合が悪い。眩暈がする。今何時だ!? 頭痛が酷い。



「目が覚めた?」



 俺は一瞬ビクッとした。俺の部屋に俺以外の誰かがいるはずないのだ。それなのに、女の声がした。


 慌てて声の方向を見てみた。



「あ、まだ起きない方がいいかもよ? 思いっきり頭打ったてたから……」


「あ、ありがとう」



 なんか状況は分からないけれど、この人は俺のことを気遣ってくれているらしい。この人は悪い人ではないらしい。



「びっくりしたよ。隆志たかしったら電球交換の時に倒れたんだから!」



 そうなのか……全然記憶にない。


 それにしても、この女性は俺のことを隆志と呼んだ。たしかに、俺の名前は、奥屋おくや 隆志たかし。名前自体は間違っていない。


 ただ、俺には下の名前で呼んでくれるような女性はいない。年齢=彼女いない歴なのだ。この春、大学に入学して……あれ?記憶が混濁している!?



「あの……きみ……」


「きみ? どうしたの? 変な呼び方」


「あ、いや……」



 少し頭を起こして、彼女の顔を見たら少しだけ心当たりがあった。高校の時のクラスメイトのひじり藍子あいこさんに似ていた。


 年齢は彼女の方が少し年上という感じだろうか。聖さんのお姉さん?


 聖さんは、笑顔が可愛くて、控えめで、クラスでも人気者だった。黒髪ストレートで清楚系のクラスのマドンナ的存在だった。


 俺も彼女のことがすごく気になっていたけれど、声をかける勇気もなく、高校は卒業してしまった。


 一応、俺と彼女は同じ大学に入学したはずだけど、彼女は文系、俺は理系になり、授業でもほとんど会うことはなかった。


 今、俺の家にいる彼女が誰なのか、聞いてはいけないような気がしたのだ。



 軽く頭を起こして、枕元に置いてあったスマホを手にした。



『20:04』



「え? もう、夜なの?」


「そうだよ。だから、電気をつけようと思ったらつかなくて、 隆志たかしが見てくれたんだよ」



 ……どうなのか。



「どれくらい気を失っていた?」


「うーん、10分くらい?」



 そうなのか。それにしては、具合が悪い。身体もだるい。頭を打っているかもしれないから、病院に行った方がいいのだろうか。



 ここで俺は信じられないものをスマホの画面に見つけた。



『2022年7月31日』



 あれ? スマホがバグってる?



「あれ?今年何年? 今日何月何日!?」


「どうしたの? それはもっぱらタイムスリップしてきた人が言うセリフだよ?」



 彼女は俺の部屋で洗い物をしてくれているようだ。俺は頭を打って一時的に記憶が不安定なのか!? 倒れる前のことがまるで思い出せない。


 それどころか、今年は2021年のはず。俺はまだ大学に入学して一人暮らしを始めたばかりのはずなのだ。



「今年は2022年、今日は7月31日だよ。『知らない天井だ』も言っとく?」



 聖さんっぽい女性は、俺が期待した答えよりも1年は後の日付を言った。彼女は俺が高校の教室で会っていた時よりもフレンドリーで、冗談も言うような人だったらしい。




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