第7話やわらかな休日
今日はリタも僕も特に用事はないという事で、少し遅めの朝食をゆっくり食べている。
「どうだファースト、ここの生活には慣れたかい」
「そうですねリタ、本で読んで多少の知識はあったので異世か……いやっこの街の生活もこういう物なのだろうなと、あっもちろん毎日が新鮮で楽しくもありますよ」
「うむうむ、ところで今朝のパンケーキはどうだ美味いだろうパンケーキは新鮮な卵、牛乳がなくてはなかなか作れなくてな小麦粉は兎も角、砂糖などもまたまだお手頃価格とはいかんしな」
と言いながらリタがパンケーキにかぶりつく、妙に嬉しそうだ、好物なのかもしれない。
「以前の僕は体が弱くてマトモな物を食べる事すら出来なかったので、食べられるものなら何でも美味しく感じちゃいますが確かにこのパンケーキは美味しいですね」
「そうだろうそうだろう、パンケーキは美味いよな、街になパンケーキのとびきり美味い店があってな、神殿騎士でそれなりのお給料を貰っていても、なかなか食べられないが今度お給料が出たらファーストも連れて行ってやろう」
嬉しそうに話すリタを見ながらも思い当たったことがあった、前世では体が弱いこと以外何不自由のない生活を送っていたけれど、ここでリタと生活を続けていくなら少し何か考えなければならないかも知れない。
リタにあてがわれた自分の部屋に戻り、左手にLphoneの画面を開く。
名前:不破明日斗
年齢:12歳
体力:♾
魔力:♾
寿命:♾
スキル:ブラックカード
以前見た時はスキル:???だったのがスキル:ブラックカードとなっている、もう少し何か分からないかLphoneを色々調べてみる。
yTubeのアプリを開くと登録した覚えのないチャンネルがあった。
"メフィストチャンネル"
直ぐに消そうかと思ったが思い直して嫌々観てみる。
軽快な音楽と共に画面にメフィストフェレスが登場した。
「メフィストチャンネルにようこそ!やっと気付いてくれたか明日斗君待ちくたびれましたよと、言ってもこれは録画です、画面に話しかけたりはせぬように。今日は君が触媒にして取り込んだ4つの能力について教えてあげましょう。先ずは吾輩の魔力ですね。そして今観ているスマホの能力、何か困った事があったらこのメフィストチャンネルを観てみると良いかもであ〜る。次にブラックカード、これはお金で買える物なら何でも手に入るスキルになっちゃった様ですね。そして最後に忌々しいロザリオですが、まあその内役に立つ事もあるんじゃね?はなほじと、言う事でまた次回お会いしましょう!」
次回もあるんだ……僕が警戒してただけでそんなに悪いやつでもないのかもメフィストフェレス。
それにしてもブラックカードは便利そうだ、パパには感謝しないとな。
"ブラックカード"で、と声を出すと右手にブラックカードが現れた。
「とりあえず宝石と金塊を下さいな」
そう言ってカードリーダーにカードを通す仕草をしてみる。
目の前に宝石と金塊が現れた。
ホントに出た!でもこのままでは街で使えないよな、どこか換金出来る所がないかリタに聞いてみよう。
「なっファースト、この金塊と宝石はどうしたんだ」
「僕の家は結構裕福で旅に出る時に持たせてもらいました、まだまだありますよ。街に換金出来る所ありますよね?あっそうだ換金して朝、リタが言っていたパンケーキのお店に食べに行きましょう」
「ゴクリっいやいやいや家がお金持ちだからと言ってそんな贅沢はいかんのではと思う、やはり汗水たらして働いた、たまのご褒美に食べるからこそパンケーキは美味いのだ」
「まあそんな気負わずにこれからの僕の生活費もかかって来るでしょうし先ずは換金に行って、僕もそのお店のパンケーキ食べてみたいですし」
「そっそうかファーストがそんなにパンケーキを食べたいならしょうがないな、うんっ」
果たしてそのお店のパンケーキはサイコーに美味しかったのであった。
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