第37話
フレッドは男が入っている牢屋につくと、止まることなく牢屋に入ろうとする。
「ちょっ!ちょっとお待ち下さい!王子自ら尋問する気ですか?」
シドが慌ててフレッドを止めた。
「そのつもりだ、自分で話を聞かなければ気が収まらない…」
「全くあなたという人は…お前達、少し離れていなさい」
シドは牢屋で警備についていた兵士を少し遠ざけた。
フレッドは兵士達が居なくなるのを確認して牢屋に入る…シドはそんな王子について一緒に入ると…
「ペストン…と言ったな、知ってる事を洗いざらい話せ」
フレッドは冷静に冷たい声でペストンのに話しかけた。
「これは…フレッド王子自ら尋問とは光栄です。私が見た事を全てお話致します」
「さっさといえ」
「はい、私はルフレシア様の友人でして…この度知り合いとお茶をするから用意を手伝って欲しいと声をかけられました」
「お茶の用意などメイドがするものだろう…」
「そうでしょうが、その方とは誰にも邪魔されずにゆっくりしたいからと…私は口が固いと評判なので声をかけて下さったようです」
ふんっ…
フレッドは鼻で笑うと先を話せと促した。
「まぁ…ルフレシア様とお茶を飲みにきた方がロレッタ様だったのですが…用意されたお茶を入れてお二人にお出ししたところ急にロレッタ様の具合がおかしくなりまして…慌てて看病いたしておりました…そこへフレッド様達が来られたのです」
「看病ね…そのようには見えなかったが?」
「ロレッタ様はルフレシア様に不敬を働きまして…それもあって気分が悪くなったのかも知れません」
「不敬だと?」
「はい、話の内容はわかりませんがロレッタ様がルフレシア様になにか気に触ることをいたようで…ルフレシアが大変お怒りになり部屋を出ていきました。その後ロレッタ様は具合が悪くなり…看病をしていたところ…その…」
ペストンは言いにくそうに顔を逸らした。
「なんだ、言え!?」
「その…ロレッタ様に迫られまして…私は最初断ったのですが…どうしても触って欲しいとせがまれまして仕方なく」
ペストンは困り顔で頭を下げた。
「私としては手など出したくなかったのですが…あんな可愛らしい方が体が熱いから触ってくれと言われて男としてら拒めますか?フレッド王子ならわかってくださると思っていたのですが…」
「ロレッタから…」
「はい、そうです!ロレッタ様にも確認して下さい!まぁ…令嬢としてそんな事認めるとは思いませんが…ですがそれが真実です。王子も見ましたよね?熱く悶えるロレッタ様を…」
ペストンは本当はそんな事したくなかったと顔を顰めた。
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