第38話 クレーターダンジョンに向かうと
アイゼンはレンガ造りの小屋の中で、
レンガ造りの
大きな泉や銅像には
奇岩群ダンジョンを
だが、その前に霊体を守る守護獣である人狼を倒す必要があった。
アイゼンの
「アイゼン。複数体の魔獣が周囲から中央に向かって接近してきている」
「マジで? 霊体を守るためか。ヤバいね。早く
「そうね」
分身体ルナは真っすぐに人狼に
すると人狼が魔法を
泉から太い水柱が立ちあがり、分身体ルナに向かって
分身体ルナは襲い来る水の
ドガパッ
分身体ルナに
分身体ルナの右腕も無事ではなく、右腕の全体に
「っ!? 血?」
「血に
「そう。魔力の
分身体ルナはそのまま人狼に接近した。
すると水に濡れた人狼の体から水の
「水弾?」
それはアイゼンも使っている水属性初級魔法の『水弾』に似ていた。
分身体ルナが左手で水の塊を
分身体ルナが水の塊に触れた
ボウンッ
水の塊が
「っ!? 水が燃えた!? 燃える水?」
「魔法によるものだね。私も水と
「そんな魔法があるのか」
さらに、分身体ルナに飛び散って
分身体ルナは高速で回転し、体に着いた燃える液体をすべて振り払った。
飛び散った液体は地面に
分身体ルナの服は
「大丈夫? あの火傷も作ったの?」
「ええ。体表面の白砂の
「そう。
すでに分身体ルナは人狼の目の前に来ており、人狼に拳をぶち込もうと
すると人狼の体の毛から水が
分身体ルナはそのまま水の中にいる人狼をぶっ
ドッパッ
人狼を包み込む水が
周囲に大量に飛び散った燃える水のせいで泉の周囲の地面が火の海に包まれた。
分身体ルナにも水がかかり燃え上がった。
依り代のある空間が
レンガ造りの小屋の中で壁に
「煙で何も見えないし火の
「わかった」
分身体ルナは体の火を消すと泉の中央にある依り代を破壊するため、
しかし、煙の中にもかかわらず人狼が分身体ルナに襲い掛かってきた。
人狼は体を水に包まれたまま両手を広げ、分身体ルナに
分身体ルナは人狼の素早い攻撃を回避し、泉の中に足を
分身体ルナが泉の中に入ると、人狼も追いかけて来た。
人狼が再び魔法を発動した。
すると、泉の水が燃えだし火の海になった。
人狼は体を水に包まれており火の中でも平気なようで分身体ルナに襲い掛かってきた。
分身体ルナは人狼の攻撃をかわしながらじりじりと銅像に近づいた。
人狼は必死に分身体ルナを
分身体ルナは人狼の攻撃をかわしながら移動し、とうとう依り代の銅像にそっと触れた。
すると、三つ首ドラゴンの銅像が
人狼は霊体の支配から開放されると落ち着きを取り戻し、その場から立ち去っていった。
「ん。どうやら銅像が
「ええ。魔獣もここから
閉じたダンジョンの中央に向かっていた魔獣たちも自由になり、思い思いの行動を取った。
ただ、閉じたダンジョンが
穢れたダンジョンに
人狼が立ち去ったことで燃えていた泉が一瞬で元の姿に
泉の周囲はまだ火が燃えていたり、草や花が燃え
その景色を見ながらアイゼンはふと思いついた。
「そういえば、ここのダンジョンって普通のダンジョンを魔法的に閉じたから穢れた魔力が生れちゃったんだよね。どうやって封じてたんだろ。結界みたいなやつかな。もしくは何か魔道具的な封印の道具か。その結界で何を封じたんだろうね。可能性と言えば霊体を封じるかダンジョン領域を丸ごととかか。閉じたダンジョンが何かの
分身体ルナは銅像があった広場を歩き回った。
泉の中心には銅像を乗せていた台座だけが取り残されていた。
「台座は白砂じゃなかったのか」
「ええ。台座の
分身体ルナが広場全体を調査したが、それらしき道具は見つけられなかった。
「ないか。消えちゃったのか。もともとここにはないのか。わかんないな。戻ってきていいよ。魔法で封じてたのかもしれないし。お
「わかった。戻る」
分身体ルナが
アイゼンもレンガ造りの小屋から外に出て分身体ルナを
すると、八島にいるアンドロイドの
「ルナちゃん。あなたの体に穢れた魔力が
穢れたダンジョンから出て来たルナの体は穢れた魔力がこびりついているようだ。
「わかった」
分身体ルナはアイゼンから少し
「穢れた魔力を早く
「そう。ありがとう。やってみる。それとアイゼン。ポーションを
「わかった」
アイゼンは持っていた魔石とポーションを分身体ルナに投げて渡した。
分身体ルナはポケットに入れる
分身体ルナが体にポーションをぶっかけ、傷や火傷がポーションで回復したかのように見せかけた。
同じ頃、ルナを
「そう。閉じたダンジョンを開放するなんてね。なんて人間なの。要注意人物ね。閉じたダンジョンの
「ルナは閉じたダンジョンの外に出てポーションを使っていました」
「第1級だから中級ポーションぐらいもっているでしょうけど、閉じたダンジョンの中はそういった次元じゃないのよね。
「マスター。『女神』が再びこの場所に向かっております。ここで
「そう。自由に使わせてあげて。ここは私の物じゃないし。それにすぐに帰るでしょう」
「わかりました」
奇岩群ダンジョンを攻略したアイゼンとルナは、野営をするため古代遺跡ダンジョンに戻った。
アイゼンとルナは首都の中心にある古代遺跡ダンジョンに入り、地下一階にある部屋の一つで休むことにした。
部屋は
分身体ルナは部屋に入らずに入り口にいた。
「ルナ。近くに魔獣はいる?」
「近くにはいないわ。ここに近づいて来たら私が
「魔獣が現れたら教えてくれ。その時は俺も戦うよ」
「わかった」
アイゼンは部屋を見渡した。
「それにしても何もないね。街が滅ぶまえに持ち去られたのかな。ダンジョンを
「では分身体の私は
「うん」
翌朝。古代遺跡ダンジョンの一室でアイゼンは目を
「おはよう。ルナ」
アイゼンは顔の
「おはよう。アイゼン」
「ルナ。今日も残りの閉じたダンジョンを攻略しようと思うけど、どっちが近い?」
「首都の北に広がる森の中にあるダンジョンよ。森の中にクレーターのような山が盛り上がっている。そこが閉じたダンジョンだと思われる」
「そうなんだ。んじゃ。そこに行ってみようか」
アイゼンが部屋を出ると、分身体ルナが少し
「行こうか」
「ええ」
アイゼンとルナは古代遺跡ダンジョンを出てクレーターダンジョンに向かった。
アイゼンとルナが
アンドロイドのマリィが契約者であるマーシャに冒険者パーティー『女神』の
「マスター。『女神』が北にある森の中の閉じたダンジョンに向かいました」
「そう。熱心ね。閉じたダンジョンの開放依頼でも受けたのかしら。まあ。閉じたダンジョンが
「わかりました」
真っ白で顔のないアンドロイドのマリィは部屋から出て行き『女神』の監視に向かった。
アイゼンとルナは
アイゼンが湖を見ると今日も動物や魔獣が
アイゼンとルナは魔獣たちに見つからないよう崩壊した建物などに
首都を囲む3つの城壁は西部の外側の城壁の一部を
「アイゼン。アイゼンが寝ている間に古代遺跡ダンジョンの白砂の部屋に行ってきたわ。分身体の白砂を全部入れ
アイゼンが分身体ルナに近づいた。
「確かに
「そう」
アイゼンとルナは首都北部の城壁だった
首都周辺は草原が広がっていたが、その先に木々が
アイゼンは歩きながら森を
「ここからじゃ、クレーターの山は見えないか。そこまで近くないんだね」
「そうね。森の中に入ってしばらく行った頃には見えるんじゃないかしら」
「そうなんだ。森も久しぶりだな」
アイゼンとルナは平原を歩き、広大な森の中に足を
背の高い木が
「歩きやすいけど、何だか
「今のところ魔獣や動物は近くにいないわ」
「そう。よかった」
アイゼンとルナは森を北に向け進んでいった。
しばらくすると、アイゼンの前方の木々の上から
「あ。あれかな。閉じたダンジョンらしきクレーターの山は」
「ええ。二重丸◎のような地形で中心部に白い
「そうなんだ。もう少し近付いてみるか。閉じたダンジョンだったら嫌な感じがするから」
「ええ」
アイゼンとルナは灰色の山に向かった。
森の中を
「東から魔獣が
「わかった」
アイゼンと分身体ルナは足を止めた。
アイゼンは荷物を置き宝槍と魔盾を構えた。
分身体ルナがアイゼンの前に立った。
すると、森の奥から灰色の毛を持つイノシシがアイゼンに向かって
分身体ルナがイノシシに向かって走り出し、アイゼンが魔法の
「『
アイゼンから射出された火の玉が灰色イノシシに向かった。
灰色イノシシは真横に飛び火の玉を
ドゴッ
灰色イノシシの横腹に穴が開き、灰色イノシシは吹っ飛んでいった。
「よしっ。
「まだのようよ」
「えっ!?」
アイゼンが吹っ飛んだ灰色イノシシを見ると、灰色イノシシの腹に開いた穴が
「げ。再生能力持ちか。ルナ。これを使って」
アイゼンは宝槍を分身体ルナに渡した。
灰色イノシシが再びアイゼンに
分身体ルナが灰色イノシシを
宝槍が突き刺さった灰色イノシシの頭部が
分身体ルナが宝槍を引き抜くと灰色イノシシが地面に倒れ込んだ。
「これで終わったかな?」
しかし、すぐに灰色イノシシの頭部の傷が回復し、灰色イノシシが起き上がった。
「うわっ。凄い回復力だな。焼くしかないのか」
すぐさま分身体ルナが灰色イノシシに襲い掛かり、全身を何度も宝槍で突き刺した。
灰色イノシシの全身に開いた穴が次々と凍り付いていった。
「ルナ、離れて」
分身体ルナが灰色イノシシから離れるとアイゼンが魔法を発動した。
「『茜さす。火弾』×5」
アイゼンは火の玉を5発連続で射出し、灰色イノシシを炎で包み込んだ。
しかし、灰色イノシシはまだ動きを止めなかった。
「っ!? すごい生命力だな。ルナ。切り
「わかった」
分身体ルナは宝槍をアイゼンに返し、燃え
分身体ルナは手刀で灰色イノシシを
周囲に灰色イノシシのこま切れ肉が
「まだ肉がびくびく動いてるな。一応焼いておくか」
アイゼンは地面に散らばる灰色イノシシの
真っ黒こげになった灰色イノシシの肉片がようやく動きを止めた。
「ふう。終わった。とんでもない魔獣だったね」
「そうね。ここまで生命力のある魔獣は始めてね」
「ちょっと休ませて。魔法を使いすぎて体がだるい」
「わかった。アイゼンは座って休んで。私は周囲を
「ありがとう」
アイゼンは木に寄りかかり休んだ。
しばらく休んでいると分身体ルナが急に体の向きを変えた。
「魔獣?」
「ええ。一体の魔獣がこちらに向ってきている」
「そうか」
アイゼンが立ちあがった。
「大丈夫?」
「ああ。休んだから少し楽になったよ」
「そう」
すると、森の奥から真っ白な
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