第12話 竜神教会に行くと

魔術師ギルドに入会したアイゼンは、アンドロイドのルナと共に魔術師ギルドから出てきた。


アイゼンは指にはまっている魔術師ギルドリングをうれしそうに見つめた。


「魔法を早く使ってみたいな。古城こじょうダンジョンに行く途中とちゅうためしに魔法を発動してみるか。ワクワクするな。そうだ。今後は魔石を全部売らずに魔法のためにめてもいいかな」


「はい。もちろんです」


「ありがとう。俺も早く魔獣をれるようになるよ」


「アイゼン。竜神教会にも行ってみたいのですが、よろしいですか?」


「竜神教会? いいけど、何か知りたいことがあるの?」


「白竜と古代竜についてです」


「ああ。そうだね。俺も知りたい。魔術師ギルドの人が魔法の属性の分類に古代竜の属性を使ってるって言ってたね」


「はい」


「じゃあ。行ってみようか。すぐ近くだし」


アイゼンとルナは冒険者ギルドと同じ中央広場にあり、魔術師ギルドのとなりに立つ竜神教会に向かった。


竜神教会の敷地内しきちないには、高さ約90メートルの螺旋状らせんじょう尖塔せんとうが建っていた。


尖塔の内部には食料が備蓄びちくされている。


また尖塔の側面には木製の螺旋階段らせんかいだん設置せっちされており、上までのぼると領都りょうと一望いちぼうできるようになっている。



アイゼンとルナは真っ白な外壁の竜神教会に入った。


すると、そこには広い空間が広がっており、白い長椅子ながいすがいくつもならんでいた。


部屋の奥には白い布がけられた祭壇さいだんもうけられていた。


また、教会員らしき女性が広い室内のゆかほうきいていた。


女性はゆったりとした真っ白なワンピースを着ていた。


アイゼンが竜神教会の内部を見渡すと、ゆかかべ天井てんじょうも白で統一とういつされていてまぶしいくらいだった。


「全部白だね。徹底てっていしてるな」


すると、ルナが竜神教会の祭壇に目を向けた。


「アイゼン。祭壇回りの床や壁の一部に白砂が使われています。しかし、生きてはいません」


「生きていない? 作動してないってこと?」


「はい。ただの砂として建材に使用されているようです」


「へえ。利用しようと思えば使えるの?」


「はい。こわれているわけではありません」


「そうなんだ。なんでだろうね。白砂の存在を知らないのかな」


ルナが教会の女性に話しかけた。


「すみません。竜神教会の事や白竜や古代竜について教えていただきたいのですが、今大丈夫ですか?」 


「はい。大丈夫でございますよ」


「私はルナ。彼はアイゼン。我々は冒険者パーティー『女神めがみ』です。これは寄付きふです」


ルナは小金貨1枚を女性に渡した。


「感謝します。あなた様方はあの『女神』のお二人でございましたか。ご活躍かつやくうわさうかがっております。ジェード竜神教会の代表に面会が可能か聞いてまいります。代表の部屋の前まで案内しますので、ついて来てください」


「わかりました」


女性は今いる大きな部屋から別の場所に続く通路に向かった。


アイゼンとルナは女性の後を追った。


アイゼンたちは教会の一番奥の部屋に案内された。


「こちらです。代表に聞いて参りますので、少々お待ち下さい」


「はい」


女性は部屋のとびらを軽くたたいた。


コンコン


「代表。よろしいでしょうか」


「はい。どうぞ」


部屋の中から女性の優しい声が聞こえて来た。


「失礼します」


女性が部屋の中に入っていった。


アイゼンとルナは白いとびらの前で待った。


すぐに女性が現れた。


「どうぞ。代表がお会いになるそうです」


アイゼンとルナは部屋の中に通された。


その部屋の中にある物は、つくえ椅子いすも代表の服装も何もかもが白かった。


部屋に入ったアイゼンは、椅子いすすわっている代表の女性の魔力の多さにびっくりして動きが止まった。


「あらあら。おどろかせてすみませんね。竜神教会の代表は魔力が多いことが条件の一つでございまして。最近、王都竜神教会の代表になった子は私よりはるかに魔力が多いのですよ。王都に行くことがあったら会いに行ってあげてください。さあ、どうぞおかけになってください」


「はい。失礼します」


アイゼンとルナは代表の正面に座った。


案内してくれた女性は部屋から出ていった。


「私は領都ジェード竜神教会代表のアガーテと申します」


代表は30代くらいの赤毛の女性で柔和にゅうわな笑顔を浮かべていた。


「私たちは冒険者パーティー『女神』です。私はルナ。彼はアイゼン。彼はノドを怪我けがしていまして、今は話すことが出来ません」


アイゼンは軽く会釈えしゃくをした。


「そうですか。冒険者は大変危険なお仕事ですからね。ご自愛じあいください」


「お時間を取らせて申し訳ございません。なぜ代表が直々じきじきに我々と面会をしてくれたのですか」


「あなたは、いえ、あなた方は将来有望な冒険者だと冒険者ギルドから聞いております」


「そうですか。ところで教会の建物の内部には変わった石が使われていますね」


「ええ。よくお気づきになられましたね。そのような質問をされたのは初めてですよ。竜神教会は白竜様をたたえ白い石で造られています。その白い石の中でも特別とされる貴重きちょうな白い石を使用しております。ここだけではなく他の地域の主な教会にもその特別な白い石が使われています」


「そうですか。どこで白い石を手に入れたのですか?」


「白い石の出どころは古代魔法文明の遺跡いせきです。あなた方も古代魔法文明の遺跡に行かれたさいには白い砂や白い石の回収をお願いしますね。教会では白い石の寄付も受け付けております。他では買取を行っていませんのでお気を付け下さい。ただの石ですから」


「わかりました」


「それで、竜神教会と白竜様と古代竜様について知りたいとか」


「はい。この世界について無知なものでいろいろ知りたいのです」


「そうですか」


そう言うと代表のアガーテはアイゼンをジッとた。


「魔力の宿やどし方が独特どくとくですね。魔力のつぶは人並にあるのに魔力がうすいと言いますか。表現がむずかしいですが、とにかくめずしい体質ですね」


(そうなの?)


アイゼンはルナの同時通訳を聞き困惑こんわくしていた。


「そうなのですか。私たちは魔力についてもくわしくないのです」


ルナがアイゼンの代わりに答えた。


「そうですか。まあいいでしょう。では我々竜神教会が何をしているかについて簡単にお話ししましょう。竜神教会は我々に魔力を与えてくださった白竜様をあがめ、白竜様がおつくりになられた世界を理解しようとする組織です。そして、この世界を再構築さいこうちくされた白竜様が何を望まれ、そこで生まれた我々は何をすべきかを日々考えております。また、貴族や豪商ごうしょうから寄付をつのり生活に困っている人たちを支援しえんしております。その方々のために路上ギルドと協力して孤児院こじいん運営うんえいおこなうほか、養蜂ようほうや農業や酪農らくのうなどを経営し、路上ギルド員に仕事を斡旋あっせんしております。竜神教会は路上ギルドに所属していない困窮者こんきゅうしゃにも盗賊などに身を落とさぬよう支援していますが、力及ちからおよばずすべての人たちを救うことにはいたっておりません。我々が至らないばかりに皆様の生活が良くならず申し訳なく思っています」


アガーテは一呼吸ひとこきゅうを置いて再び話し出した。


「この世界の成り立ちについてもお話ししましょう。約1000年前、白竜様がこの世界に顕現けんげんされ、当時栄華をほこっていた古代魔法文明がほろびました。その後、白竜様によって白竜様の魔力があふれる世界が新たに創造され、古代魔法文明とは違った魔法の仕組みにえられました。古代魔法文明では今をはるかに上回る魔法が使われていたと伝わっておりますが、あまりにも昔ですので情報が正確に伝わっていない可能性は十分にあります。約1000年前の事ですから確かめようがありませんけど、私たちどもはそう信じております。世界が白竜様の魔力で満たされたおかげで、世界中の環境が激変しました。約1000年前とは全く違うとのことです。この世界に存在する物質や生命体は、魔力をその身に宿すことになりました。我々は白竜様の一部と言ってもいいでしょう。い魔力を宿した動植物が魔獣や薬草になり、道具は魔道具になったのです。そして、この世界に生きる者は魔力を利用して超常現象ちょうじょうげんしょうを起こす魔法が使用可能になりました。すべてが白竜様からのたまわりものなのです。今の世界を創造した白竜を信仰する宗教が竜神教です。この世界を新たに造り替えた全知全能の神として白竜様をあがめさせていただいております」


アガーテは白い陶器とうきのコップにそそがれたヤギのミルクを飲んだ。


「では白竜様や古代竜様についての話にうつります。この世界に顕現けんげんされた最初の竜を竜神様もしくは白竜様と我々は呼ばせていただいております。白竜様は今も『白の大地』と呼ばれる場所で眠りについておられます。白の大地はここから北東にある広大な大地です。白竜様が顕現されてから約百年後、白竜様と古代魔法文明の国々との争いが始まると、世界各地の大陸に強大な8体の古代竜様たちがそのお姿を現されました。争いは白竜様たちの一方的な勝利に終わり、古代竜様方は出現した大陸をそのまま支配地としました。アルケド王国がある大陸北西部は緑属性魔力を持つ古代竜の緑竜様の支配地。大陸の南西部は火属性魔力を持つ火竜様の支配地。大陸の東は死霊属性魔力を持つ黒竜様の支配地。そこは『死の大地』と呼ばれております。大陸の対岸にある南の大陸は『暗黒大陸』と呼ばれ、邪属性魔力を持つ邪竜様の支配地です。海を西に渡った先にある大陸には、土属性魔力を持つ土竜様の支配地『レッドロック』があります。レッドロック大陸の南にある大陸には聖属性魔力を持つ聖竜様の支配地『セイクリッド ガーディアン』大陸があります。そして空は風属性魔力を持つ風竜様の支配地。海は水属性魔力を持つ水竜様の支配地となっています。緑竜様が住まう支配地にあるアルケド王国は緑竜様を守護竜としてあがめております。支配地と言いましたが、実際には古代竜様たちは何もしておられません。大地の属性が支配している古代竜様の属性にかたよっているだけです。我々は世界中に点在する竜神教会の方々と情報交換をすることでこのような情報を得ています」


「そうですか。古代竜の姿は見ることは出来るのですか?」


「いえ。最近というか数百年の間、すべての古代竜様は古代魔法文明の国々との戦闘が終了後、記録が残っている限りそのお姿を見せていません。緑竜様は『聖なる森』に住まわれていると考えられておりますが、確かな根拠こんきょはありません。そう考える理由としては濃厚のうこうな緑属性魔力が広がるダンジョンが複数あることと、王国が出来る前に聖なる森が広がる山を信仰する者たちがいた、という記録が残っているからです。緑竜様がお姿を現さない真意しんいは我々でははかり知れません」


「聖なる森とはどこにあるのですか?」


「王都の南にあるウイロウ領とその東にあるジャスパー領との間に広がる広大な山脈です。ただ聖なる森に住んでいる魔獣は強大ですので禁足地きんそくちになっていて、王国に認められた者以外の立ち入りは禁止されています。そのせいで不本意ながら『禁忌きんきの森』などとも呼ばれるようになってしまいました」


「そうですか。白竜や古代竜以外の竜はいないのですか?」


「若い竜ならたくさんいます。王領の西に広がる山脈には青竜と呼ばれるおだやかな竜が住んでいます。また王国の南部には小型の竜が住む『南方五湖』と呼ばれる湖があります」


「穏やかとは言え王都の近くに竜がいては危険ではないのですか?」


「いえ。青竜は人の言葉を理解できますし、青竜と王族は友好関係を結んでいますので危険はありません。青竜は王都竜神教会代表の友達でもあります。ちなみに青竜が住む山のふもとには王国最深最大のダンジョン『竜王の庭園ていえん』があります」


「竜王? 古代竜よりえらいのですか?」


「いえ。地元の者たちが人々が敬意けいいをこめて青竜を竜王と呼んでいます。白竜様や古代竜様は別格の存在です。ちなみに『竜王の庭園』ダンジョンは古代魔法文明の遺跡でもあります」


「そうですか。興味深いですね」


「そうでしょう」


「白竜には会えるのですか?」


「白竜様は周囲を極寒ごっかんに包まれてお眠りになられています。ですので、あまりの寒さに誰も白竜様のおそばまで近づけないそうです。また白竜様は透明とうめいな結界を展開しているらしく間近には接近できないようですよ」


「そうですか。白の大地に人は住んでいるのですか?」


「いえ。ダンジョンの管理に失敗し、ダンジョンから魔獣があふれ出したことで白竜様がいらっしゃる国はほろびました。そのせいで近隣諸国きんりんしょこくの国もえを喰らい滅んでおります。我が王国の東にあった隣国りんごく度重たびかさなる魔獣の襲来しゅうらいにて滅びました。その国の名はエクリュベージ王国といいます」


「ダンジョン管理の失敗とは何なのですか?」


「まずダンジョンについて説明します。ダンジョンはしろに宿る霊体が創造します。霊体とは精霊の最上位種です。精霊が魔力が豊富な物質に宿り、精霊がそこで意思を獲得するまで成長すると霊体と呼ばれる存在になります。その霊体が宿る物質を依り代と言い、霊体が依り代を中心としてダンジョン領域を展開します。ダンジョンは霊体が成長するために魔力を増大させる装置です。霊体が成長するための巣と言いえてもいいでしょう。周囲の魔力がダンジョンの中心にある依り代に向かうようになっています。その流れをその国は魔法的にざしてしまいました。その結果、ダンジョン内で魔力が停滞ていたいし魔力がよどみ、魔力の性質が変化しました。その影響でダンジョン内の環境が悪化。魔獣が見たこともない姿に変異し、さらには魔力の宿った薬草や魔道具などの貴重な素材が取れなくなりました。あわてたその国が閉ざされたダンジョンを開放するとダンジョンから凶悪化した魔獣があふれ出し、その国や周辺国を滅ぼしていったのです。それは今も続いております。閉ざされたダンジョンから定期的に魔獣たちが溢れ出しているのです。もちろんこの国にも白の大地から魔獣がやってくることがあります。さいわい、白の大地から距離が離れていますので時間的余裕があり、冒険者の皆さんや王国騎士団が命懸いのちがけで退治を行っております。王国の東部の国境沿いに南北に連なる城壁があるのですが、今までのところ白の大地の魔獣が城壁を越えたことはありません。白の大地は広大で魔獣たちが各方面に散らばることで、我が王国に来る魔獣の数が減りますので何とか対処できています」


「白の大地の周辺国で滅んでいない国はあるのですか?」


「白の大地の西にあるエルフの国や白の大地の南に滅んでいない国々があります。ここからだとはるか東になります」


「エルフの国は大丈夫なのですか?」


「ええ。エルフの国は半島丸ごとダンジョン化していますので、白の大地の魔獣たちもその森は突破は出来ないようです。また王国の南東部には『幻獣げんじゅうの大森林』と呼ばれる広大な面積を持つ森が広がっていまして、そこにすさまじい力を持った幻獣パイソンとその眷属けんぞくが住んでいます。そこに向かった白の大地の魔獣は幻獣パイソンが殲滅せんめつしているようですね。幻獣パイソンは高い知性を持ち人語を理解すると言われています。幻獣パイソンと良好な関係をきずくため『幻獣の大森林』は立ち入り禁止になっています。不興ふきょうを買って国が滅んで仕舞しまわないように」


「そうですか。白竜は何をしにこの世界に現れたのでしょうか?」


「さて。白竜様と会話をした人物はいませんので白竜様の真意は何もわかりません。ただ、白竜様が創られたこの世界でいとなまれている自然現象を見るに、ダンジョンを創るためではないかと考えられています。つまり魔力を増やすためかと」


「魔力ですか」


「はい。ダンジョンは古代魔法文明時代には存在しなかったそうです。ダンジョンは魔力を増幅させる生命装置。白竜様から溢れ出る魔力が魔力生命体である精霊や魔獣を生み出すことでこの世界の魔力量を増やす。もちろん我々も微力ながら魔力を増やすことに貢献こうけんをしています。先ほどは触れませんでしたがダンジョンには依り代に宿る霊体を守る守護獣が存在します。またダンジョンの最後はダンジョン領域が凝集ぎょうしゅうし、ダンジョン内にまった膨大ぼうだいな魔力が霊体に集まるという現象が起こることが分かっています。ただ、今までは規模きぼの小さなダンジョンでしか凝集は観測かんそくされていません。凝集はダンジョン内の魔力が飽和状態ほうわじょうたいになった時に発生はっせいすると考えられています。ダンジョンによって凝集の時期が違うのは依り代の質の違いが考えられます」


「質?」


「はい。依り代によってダンジョン内に魔力を溜められる総量が違うと考えられています。早く限界を迎えると早く凝集するという事です。依り代の質が良いと霊体が大きく成長でき、ダンジョン領域も巨大化し、ダンジョン内に溜められる魔力量も多くなり、凝集が起こる時期も遅くなるということです」


「なるほど」


「そして凝集が起こりダンジョン内にあったすべての魔力が霊体に集まると、霊体は依り代を離れ守護獣に乗りうつり実体を獲得します。守護獣が幻獣だと凝集で神獣が生れるのではないかと考えられていますが、守護獣が幻獣となるには長い年月がかかることもあり、そのようなダンジョンは滅多に存在しません。神獣が生れた結果どうなるのか。我々では想像がおよびません」


「ダンジョンはそのような過程かていあゆむのですね」


「ええ。冒険者ギルドや魔術師ギルドからダンジョンの生態についての情報を頂いておりますが、まだまだダンジョンについては不明なことが多いですね。ダンジョンの成長はとても遅いのでサンプル数が非常に少なく、今まで集めた情報がすべてのダンジョンに当てはまるかどうかについては、まだ確信が持てません。ダンジョンの最後に起こる凝集と言う現象がなぜ起こるのか。ダンジョンの存在意義は何なのか。魔力がある世界におけるただの自然現象なのかもしれませんが。昔は凝集が起こる前にダンジョンの依り代を破壊していました。人々は魔獣が住むダンジョンをおそれていたのです。白の大地の国が滅んだあと、やっとダンジョンの管理についての研究が始まったのです」


「そうですか。そもそも精霊とはなんなのですか?」


「精霊とは魔力の中で生まれ魔力の中に生きる魔力で出来た生命体のことです。例えば魔力の濃い水の中で生まれた魔力生命体がウンディーネと呼ばれる水の精霊です。精霊に近い存在に妖精がいますが、妖精は精霊が肉体を獲得した存在です。精霊が魔獣に乗り移ったり、精霊が魔獣や人間などと交わり生まれた妖精もいるそうです。代表的な妖精はエルフや王国の南の山岳地帯さんがくちたいに住むドワーフですね。精霊とは簡単な意思疎通いしそつうができます。また精霊の最上位種である霊体は高度な知性を持つ存在ですので、人々と交流したりあがめられている霊体もいます。中には人々に知恵や能力をさずける霊体もいるそうです」


「そうですか。勉強になります。魔力が見えず、感じることも出来ない私には精霊や霊体は見えないかもしれませんね」


「すぐに自分の限界を決める必要はありませんよ。魔力のある世界なのです。いずれあなたにも見える時が来るかもしれません」


「そうですね。ありがとうございます。お時間を取らせました。これで失礼します」


「はい。あなたたちと出会え、お話が出来て良かったですよ」


アイゼンとルナは竜神教会を後にした。



翌朝、アイゼンとルナは『巨人の王冠』ダンジョンにいどむため、領都ジェードの北にある港町クロムに向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る