第12話 竜神教会に行くと
魔術師ギルドに入会したアイゼンは、アンドロイドのルナと共に魔術師ギルドから出てきた。
アイゼンは指に
「魔法を早く使ってみたいな。
「はい。もちろんです」
「ありがとう。俺も早く魔獣を
「アイゼン。竜神教会にも行ってみたいのですが、よろしいですか?」
「竜神教会? いいけど、何か知りたいことがあるの?」
「白竜と古代竜についてです」
「ああ。そうだね。俺も知りたい。魔術師ギルドの人が魔法の属性の分類に古代竜の属性を使ってるって言ってたね」
「はい」
「じゃあ。行ってみようか。すぐ近くだし」
アイゼンとルナは冒険者ギルドと同じ中央広場にあり、魔術師ギルドの
竜神教会の
尖塔の内部には食料が
また尖塔の側面には木製の
アイゼンとルナは真っ白な外壁の竜神教会に入った。
すると、そこには広い空間が広がっており、白い
部屋の奥には白い布が
また、教会員らしき女性が広い室内の
女性はゆったりとした真っ白なワンピースを着ていた。
アイゼンが竜神教会の内部を見渡すと、
「全部白だね。
すると、ルナが竜神教会の祭壇に目を向けた。
「アイゼン。祭壇回りの床や壁の一部に白砂が使われています。しかし、生きてはいません」
「生きていない? 作動してないってこと?」
「はい。ただの砂として建材に使用されているようです」
「へえ。利用しようと思えば使えるの?」
「はい。
「そうなんだ。なんでだろうね。白砂の存在を知らないのかな」
ルナが教会の女性に話しかけた。
「すみません。竜神教会の事や白竜や古代竜について教えて
「はい。大丈夫でございますよ」
「私はルナ。彼はアイゼン。我々は冒険者パーティー『
ルナは小金貨1枚を女性に渡した。
「感謝します。あなた様方はあの『女神』のお二人でございましたか。ご
「わかりました」
女性は今いる大きな部屋から別の場所に続く通路に向かった。
アイゼンとルナは女性の後を追った。
アイゼンたちは教会の一番奥の部屋に案内された。
「こちらです。代表に聞いて参りますので、少々お待ち下さい」
「はい」
女性は部屋の
コンコン
「代表。よろしいでしょうか」
「はい。どうぞ」
部屋の中から女性の優しい声が聞こえて来た。
「失礼します」
女性が部屋の中に入っていった。
アイゼンとルナは白い
すぐに女性が現れた。
「どうぞ。代表がお会いになるそうです」
アイゼンとルナは部屋の中に通された。
その部屋の中にある物は、
部屋に入ったアイゼンは、
「あらあら。
「はい。失礼します」
アイゼンとルナは代表の正面に座った。
案内してくれた女性は部屋から出ていった。
「私は領都ジェード竜神教会代表のアガーテと申します」
代表は30代くらいの赤毛の女性で
「私たちは冒険者パーティー『女神』です。私はルナ。彼はアイゼン。彼はノドを
アイゼンは軽く
「そうですか。冒険者は大変危険なお仕事ですからね。ご
「お時間を取らせて申し訳ございません。なぜ代表が
「あなたは、いえ、あなた方は将来有望な冒険者だと冒険者ギルドから聞いております」
「そうですか。ところで教会の建物の内部には変わった石が使われていますね」
「ええ。よくお気づきになられましたね。そのような質問をされたのは初めてですよ。竜神教会は白竜様を
「そうですか。どこで白い石を手に入れたのですか?」
「白い石の出どころは古代魔法文明の
「わかりました」
「それで、竜神教会と白竜様と古代竜様について知りたいとか」
「はい。この世界について無知なものでいろいろ知りたいのです」
「そうですか」
そう言うと代表のアガーテはアイゼンをジッと
「魔力の
(そうなの?)
アイゼンはルナの同時通訳を聞き
「そうなのですか。私たちは魔力についても
ルナがアイゼンの代わりに答えた。
「そうですか。まあいいでしょう。では我々竜神教会が何をしているかについて簡単にお話ししましょう。竜神教会は我々に魔力を与えてくださった白竜様を
アガーテは
「この世界の成り立ちについてもお話ししましょう。約1000年前、白竜様がこの世界に
アガーテは白い
「では白竜様や古代竜様についての話に
「そうですか。古代竜の姿は見ることは出来るのですか?」
「いえ。最近というか数百年の間、すべての古代竜様は古代魔法文明の国々との戦闘が終了後、記録が残っている限りそのお姿を見せていません。緑竜様は『聖なる森』に住まわれていると考えられておりますが、確かな
「聖なる森とはどこにあるのですか?」
「王都の南にあるウイロウ領とその東にあるジャスパー領との間に広がる広大な山脈です。ただ聖なる森に住んでいる魔獣は強大ですので
「そうですか。白竜や古代竜以外の竜はいないのですか?」
「若い竜ならたくさんいます。王領の西に広がる山脈には青竜と呼ばれる
「穏やかとは言え王都の近くに竜がいては危険ではないのですか?」
「いえ。青竜は人の言葉を理解できますし、青竜と王族は友好関係を結んでいますので危険はありません。青竜は王都竜神教会代表の友達でもあります。ちなみに青竜が住む山の
「竜王? 古代竜より
「いえ。地元の者たちが人々が
「そうですか。興味深いですね」
「そうでしょう」
「白竜には会えるのですか?」
「白竜様は周囲を
「そうですか。白の大地に人は住んでいるのですか?」
「いえ。ダンジョンの管理に失敗し、ダンジョンから魔獣が
「ダンジョン管理の失敗とは何なのですか?」
「まずダンジョンについて説明します。ダンジョンは
「白の大地の周辺国で滅んでいない国はあるのですか?」
「白の大地の西にあるエルフの国や白の大地の南に滅んでいない国々があります。ここからだと
「エルフの国は大丈夫なのですか?」
「ええ。エルフの国は半島丸ごとダンジョン化していますので、白の大地の魔獣たちもその森は突破は出来ないようです。また王国の南東部には『
「そうですか。白竜は何をしにこの世界に現れたのでしょうか?」
「さて。白竜様と会話をした人物はいませんので白竜様の真意は何もわかりません。ただ、白竜様が創られたこの世界で
「魔力ですか」
「はい。ダンジョンは古代魔法文明時代には存在しなかったそうです。ダンジョンは魔力を増幅させる生命装置。白竜様から溢れ出る魔力が魔力生命体である精霊や魔獣を生み出すことでこの世界の魔力量を増やす。もちろん我々も微力ながら魔力を増やすことに
「質?」
「はい。依り代によってダンジョン内に魔力を溜められる総量が違うと考えられています。早く限界を迎えると早く凝集するという事です。依り代の質が良いと霊体が大きく成長でき、ダンジョン領域も巨大化し、ダンジョン内に溜められる魔力量も多くなり、凝集が起こる時期も遅くなるということです」
「なるほど」
「そして凝集が起こりダンジョン内にあったすべての魔力が霊体に集まると、霊体は依り代を離れ守護獣に乗り
「ダンジョンはそのような
「ええ。冒険者ギルドや魔術師ギルドからダンジョンの生態についての情報を頂いておりますが、まだまだダンジョンについては不明なことが多いですね。ダンジョンの成長はとても遅いのでサンプル数が非常に少なく、今まで集めた情報がすべてのダンジョンに当てはまるかどうかについては、まだ確信が持てません。ダンジョンの最後に起こる凝集と言う現象がなぜ起こるのか。ダンジョンの存在意義は何なのか。魔力がある世界におけるただの自然現象なのかもしれませんが。昔は凝集が起こる前にダンジョンの依り代を破壊していました。人々は魔獣が住むダンジョンを
「そうですか。そもそも精霊とはなんなのですか?」
「精霊とは魔力の中で生まれ魔力の中に生きる魔力で出来た生命体のことです。例えば魔力の濃い水の中で生まれた魔力生命体がウンディーネと呼ばれる水の精霊です。精霊に近い存在に妖精がいますが、妖精は精霊が肉体を獲得した存在です。精霊が魔獣に乗り移ったり、精霊が魔獣や人間などと交わり生まれた妖精もいるそうです。代表的な妖精はエルフや王国の南の
「そうですか。勉強になります。魔力が見えず、感じることも出来ない私には精霊や霊体は見えないかもしれませんね」
「すぐに自分の限界を決める必要はありませんよ。魔力のある世界なのです。いずれあなたにも見える時が来るかもしれません」
「そうですね。ありがとうございます。お時間を取らせました。これで失礼します」
「はい。あなたたちと出会え、お話が出来て良かったですよ」
アイゼンとルナは竜神教会を後にした。
翌朝、アイゼンとルナは『巨人の王冠』ダンジョンに
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