第32話 グレートモンキー争奪戦 中盤
3時間ほどの練習時間で、ある程度のアドバイスを言い終えたので、
リベンジャーズは食事と休息。休息前のポーションを飲んで1時間ほどの仮眠を取った。
万全の体調を整えて悠々とグレートモンキーのナワバリへと進入を開始する。
グレートモンキーは木の上に巣を作り、攻撃も木の上から物を投げてくる。
黄色い体毛をした猿だ。
ただ、グレートというだけあり、一匹一匹がゴリラ並みにデカい。
むしろ、グレートコングじゃないのかと言いたくなる。
「上を取られた状態じゃ何もできないわ!」
「僕がやる!」
弓を構えたディーが一匹のグレートモンキーの額を撃ち抜く。
単純な矢では上に向けて撃っても威力は半減してしまう。
そこへセシルの付与魔法と自身の魔法強化によって威力を上乗せして放った
バカにして見ていたグレートモンキーの額へと突き刺さり一体のグレートモンキーが木の上から落下してくる。
「よし!」
「油断するな!!!来るぞ!」
一体がやられたことで、グレートモンキーたちが本気になり、気から降り注ぐ。
彼らの習性として、攻撃を受けた仲間がいると集団でやり返しにやってくる。
「「「「「ギャギャギャギャ!!!!!!!!!」」」」」
降り注ぐデカいサルの群れ。
木から落ちる落下速度を利用して物を投げ、攻撃まで仕掛けてくる。
一体を回収して帰ることすら厄介なモンスターの攻撃にリベンジャーズは冷静に対処を見せた。
「セシル!」
「はい!」
セシルの後ろに隠れるように全員で陣形を組む。
一人一人が逃げ惑いバラバラになることがこの場合は愚策。
空中から投げられる物はモンスターの筋力で投げるためそこそこのスピードはあるが、対処できないほどじゃない。
セシルが受け止め、他は受け流す。
互いに背中を守り合うことで致命的な負傷を防ぐことが出来る。
俺は、彼らの陣形から少し距離を置き。
人の武器を投げようとするグレートモンキーを邪魔して、繰り返し木に登ろうとするグレートモンキーを蹴落としていく。
致命傷を与えるわけじゃないが、数が多いので繰り返し体力を削ってくる行為だけは堰き止めなければならない。
「攻撃が弱まってきたぞ。もう少しだ!」
俺が声をかけるとリベンジャーズは、余裕を取り戻してグレートモンキーの攻撃に防御で対処する。
遊撃隊である俺がいる以上。
大きな損害を出すことなく落ちてきたグレートモンキーを仕留めることに集中すればそれほど厄介な相手ではない。
だが、ここからは一段階レベルが上がる。
「ウギャギャギャギャギャ!!!!!!」
雄たけびと共に一際大きなグレートモンキーが地面へと降り立つ。
「群れのボスだ!指示を出すから気を付けろ!」
群れで落下しながら物を投げていたモンスターたちが、グレートモンキーのボスが現れると連携を取り始めてボスの指示に従って攻撃をしてくる。
リベンジャーズは降り注ぐ攻撃をしのぎ切ったことで隊列をまたも変える。
対グレートモンキーボス戦に伝えていた陣形へ変えてボスへと対峙する。
グレートモンキーは他のモンスターと違って集団で行動するモンスターなため、Bランクに設定されている。
「ボスに集中しろ」
先ほどはランダムに個々で投擲されていた攻撃が一塊の巨大石を中心に投げつけられる。
俺はバリアを張って攻撃を受け止めて、リベンジャーズをボスの下へと道を作る。
「最初は俺だ!」
ガロがグレートモンキーのボスへ肉薄するが、別のグレートモンキーに突撃されて行くてを阻まれる。
「なら!」
ディーが巨大な火の玉を作り出してグレートモンキーの群れへと投げるが、グレートモンキーのボスが巨大な水の壁を作ってファイヤーボールと相殺させる。
火と水がぶつかり合ったことで蒸発した水分が視界を奪ってリリアとセシルに進行を許してくれる。
「食らえ!」
「行きます」
リリアの片手剣がグレートモンキーのボスの心臓へと伸びる。
「お姉ちゃんには私が守る!」
リリアを退けようとする他のグレートモンキーをセシルがガードして支える。
「ウギャギャギャギャギャ!!!!!!」
グレートモンキーのボスは雄たけびを上げてリリアの攻撃を払いのけて高々と跳び上がって後方へ移動する。
そこへ、風魔法がグレートモンキーのボスを襲う。
カスリ傷程度ではあるが、傷ついたグレートモンキーのボスは、後方に現れた敵へと攻撃指示を出した。
「今だ!スキが出来たぞ。一気に攻めろ」
こちらに振り分けられるグレートモンキーの数が半分になりグレートモンキーのボスを守っていたグレートモンキーたちが減って道が出来る。
「ファイヤーアロー!!!」
「バニッシュ!!!」
「忍び足!!!」
「刺突!!!」
四人がそれぞれ自分の得意な技を繰り出しながらグレートモンキーを倒してボスへと迫る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます