#15




before




「やあやあ、ガンマ君!今日も今日とてボクら夫婦は絶好調じゃないかい?いやはやボクら2人ならどんな依頼も余裕すぎて欠伸が出るよ!気がつけばボクら2人揃ってもうBランク冒険者だ。ふふっ。これはもう最高ランクのSSランクに到達するのも、もはや時間の問題だとは思わないかい?まぁ、ボクら夫婦ならば当然と言えば当然なのだけれどもね!史上初のコンビパーティーでのSSランク……ようやっとボクの実力に評価が追いついてこようとしているようだ……しかしまったくつくづく思うんだが、キミは本当に運の良い奴だよ。この完全無欠の生きる伝説級魔術師のボクとパーティーを組めるなんて大砂漠で1粒の麦を見つけるかの如く奇跡を掴み、あろうことかそんな地上に舞い降りた女神様の化身と謳われる絶世の美女を妻として迎えているんだよ?こんな豪運は早々に無いわけで、まさに神の御業。奇跡だよ。奇跡。これはこんな奇跡を恵んでくださった女神様に感謝、そしてボクに対して最大限の感謝を捧げるべきだとは思わないかい?ほらほら、ガンマ君。ボクの言っていることがわかったのなら、キミが今なんて言うべきかわかるだろ?「愛しの愛しのリゼル様。アナタに出逢えた奇跡に感謝を捧げます」って、ね?…………ふぇ!?あ、あぅ…………あ、いや…………ホントに言うと思ってなかったから…………え!いいいいいや!?そんな事は思ってないけどもッ!?ま、まぁ……その……ね?ボクもキミと出会えた事は……ホント奇跡みたいだなって……思ってるというかなんというか……それにボクを選んでくれた事が嬉しいというか……一緒にいてくれてありがとうとか…………って!いないっ!?ちょっとガンマ君!可愛い嫁をほったらかしにして先に行ってしまうというのはどういうことだい!?まったくキミは!そういうとこ!ホントそういうところだぞ!」




after




「な、なんでこうなるんだよぉー!いぃぃぃいいやぁぁあああァァァッッッ!!!カンマ君!ガンマくぅん!助けて!助けてっ!助けてッ!死ぬっ!死んじゃうよぉっ!?キミの愛しの嫁が死んでしまうよッ!こんなの無理だって!早くなんとかしておくれよぉおお!ちょっとっ!腹抱えて笑ってる場合じゃないからねッ!?だから、そういうところだよ!ピンチ!ピンチだよッ!?今世紀最大のピンチだから!もぉおヤダァああぁあああーーー!!!ごめんなさいっ!ごめんなさぁああぁぁあああい!!!」





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