第5話 見せしめ
〜夜〜
「こっちに来い!!」
「痛い!」
ブーヤンの怒鳴り声に俺とリウは目を覚ます。
ガチャリと独房の開く音がすると俺達の部屋にケロ次郎が連れてこられた。
「今日からお前もこの独房で過ごす事になるからな、他の2人とは仲良くしろよ」
いきなりこの部屋に連れてこられて戸惑うケロ次郎でしたが、早速ブーヤンの魔の手が彼に迫ります。
「お前たち3人は俺様を癒すためにここに居る、だから他の魔物よりかは食事も寝床も良い物を用意してはいるが飽きたら捨てるからな、献身的なご奉仕を求める」
などと言いながら俺たち3人に肩揉みや足揉みを要求してきた。
(くそっ! ちょっと偉いからって調子に乗りやがって!!)
しかし反抗できないのも事実。
俺たち3人は仕方なく彼のマッサージを始める。
力を入れて肩を揉んでも俺の力では筋肉に邪魔されて入っていかない。
「全然気持ちよくないぞ? もっと力を入れろ!」
バシン!!
「ぐっ!」
いきなり俺の頬にビンタを決めてきた。
しかもかなりの威力で...だ。
「ね〜ね!!!」
妹が俺の事を呼びながら足揉みを止めるとブーヤンがキレる。
「おい! 誰がやめていいと言った!? お前は続けろ!」
「ひっ...!」
明らかに怯えている妹を庇う俺。
「やめろ! 妹は関係ないだろ!!!」
「貴様! 反抗するのか!?」
バン! バン! バン!!!
何度も俺は蹴られた。
血反吐を吐きそうになりながらも耐える。
「ぐっ! がっ! あがっ!!」
「やめて!! ね〜ねが死んじゃう!」
涙目になりながら妹はが懇願するも、彼は聞いてくれない。
「オラオラ!!! 魔物は黙って俺たちの言う事を聞け! そして死ね!!!」
俺のやられ振りを見て涙を流す妹に俺も涙を流す。
(こんな奴にいいようにされて何が【王】だ...! たった1人の妹も守れずに【魔王】は名乗れない!)
そう思っていても現実は非常である。
俺がボコボコにされていると、ケロ次郎が声を発するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます