おひさまはおやすみ中

おひさまはずっとおやすみ中。

お世話係の神官は、おひさまを起こしに行ったきり帰ってこない。

おひさまを崇めるひとたちが、昔はいっぱいいたんだって。

でもいつの間にか神殿には神官がひとりきり。

ひとりで毎日お世話をしていたんだって。

おひさまが寝坊したら起こして、夜更かしをしようとしたら寝かし付けて。元気がなかったら元気付けて。元気すぎたら窘めて。

ずっとずっと、ひとりでお世話をしていたんだって。

でも帰ってこなくなっちゃった。

それからおひさまはずっとおやすみ中。

誰もおひさまの起こし方を知らなくて、そもそも誰も、おひさまの居場所を知らなくて。

ずーっとずっと、おやすみ中。

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