6月12日

 今日、6月12日はブラジルでは恋人の日だそうです。

そんなことは全く知らずに、私の亡き両親が結婚した日でもあります(挙式日)

入籍日は、数日後だったらしいですが。

 

 そんな両親で思い出したこと。

数年前の年末、仕事納めの日。

母親から電話があり、父が亡くなったと。

何年も前から認知症で施設に入所していて、その日の朝、職員さんが起こしたときはふつうに目覚めて車椅子に移動して。

しばらく経ってから、職員さんがホールに連れて行こうとした時には呼吸が止まっていたと。

認知症あるある……ではないですが、呼吸の仕方を忘れてしまったようです。

 

 連絡を受けた母親も慌てたでしょうけれど、私もびっくりして。

とにかく葬儀のための準備を整え、留守番を姑と近所に住んでる叔母さん夫婦に頼んで、相方と娘と3人で実家に向かいました。

すでに父親は斎場に移っていましたが、通夜は翌日とのこと。

仮安置場でまずはひと晩過ごすことになりました。

ただそこは案外狭い場所だったので、母と私、娘の3人が寝たら満杯です。

なので相方には私の実家で寝てもらうことにしました。

 

 “お通夜の時は、ひと晩ろうそくと線香を絶やさないようにする”

なので仮通夜のその夜も絶やさないようにしなくちゃ……。

遺体の前の仮の祭壇には、ろうそく立てと線香立てがひとつずつ置いてあります。

線香がいっぽん燃えるのにだいたい20分くらいだったかな。

最初のうちは母がせっせとあげかえてました。

でも高齢だし……いつのまにか寝ていたようです。

もちろん娘も。

常夜灯だけにして薄暗い中、ひとり頑張って線香の番をしてました。

時々眠りかかっては起き、眠りかかっては起き。

なんとか夜明けごろまで絶やすことなく、番を務められました。

 

 夜が明けてほどなくして、相方と弟がやってきました。

相方に『ゆうべは、線香絶やさないようにするのでほとんど寝てないんだよ』ということを伝えているところに、斎場の方が来られました。

控室の準備ができたから、ということだったと思います。

相方が斎場の人に線香のことを伝えたら、その方が小さめの箱を取り出して『こういったものもございましたが』と見せてくれました。

……蚊取り線香が細長くなったような形の線香でした(´;ω;`)

 

 昨日のうちに教えろよ!!

ちなみに母も、その存在を聞かされてなかったようでした。



 

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