意味怖詰め合わせ(1話完結)

mayopuro

ペットのマイクロチップ

とある国で、ペットのマイクロチップ装着が義務化された。


ほとんどの飼い主が好意的であったが、

「あいしいちっぷ? 突然そんな事を言われても、よく分からん!」

そんなお年寄りも多くいた。


そんな中、とあるペットショップが新しいサービスを始めた。

それが「マイクロチップ装着代行」である。


このサービスは大盛況だった。

申込方法は簡単。

ショップに住所と氏名、あとは自分の顔写真を登録するだけだ。

そしてなんと言っても価格だ。

なんと無料だという。


だがそこにカラクリがあった。

『飼い主が何かしらの理由で、自分のペットを飼えなくなってしまった場合、

 ペットショップにペットを譲り渡す』

という条件付きなのだ。


しかし生い先短いお年寄りには意外にも好評で

「貰い手がおらずに殺処分されるよりは随分とマシだ」

と、盛況ぶりは変わらなかった。




ある日、このペットショップに登録したお年寄りが亡くなった。

一人暮らしの老人で、自室で倒れていた所を発見された。

ペットはペットショップに譲り渡された。


そのちょうど1ヶ月後、

このペットショップに登録したお年寄りが亡くなった。

ペットと散歩中、階段で足を滑らせ、死亡した。

ペットはペットショップに譲り渡された。


そのちょうど1ヶ月後、

このペットショップに登録したお年寄りが亡くなった。

車で動物病院へ行く途中、突然ブレーキが効かなくなり、帰らぬ人となった。

ペットはペットショップに譲り渡された。




マイクロチップには、GPS機能もついているらしい。

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