第8話 青の森のダンジョンへ③~有能なサポート付き~





三階層にたどり着くと一階層、二階層とは変わり迷路のような場所になっている。


しかも三階層は毎日途中の迷路になっている道が変わるらしく最終地点までたどり着くのも大変だと愛用してる雑誌には書いてあった。



大変な思いをしてゴールしても待ってるのは実入りの少ない大きなスライムのモンスターがいるだけなんだからそりゃあこの青の森のダンジョンが人気ないのも当然だ。



『本当ならこのダンジョンは凄いんだけどねー?もったいないよねー?でもまだ響には早いよねー?どうしようねー?』



………とスライム先生は意味深なことを言っている。聞いて欲しいんだろ?聞かないよ!?



俺の第6感が告げている。またこのダンジョンに来て何かするんだろうなと。






「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ところでこの壁をぶっ壊せば良いのか?」




スライム先生が聞いて欲しそうに何度も何度も



『何でこの三階層だけ迷路なんだろーねー?』



『モンスターが1体もいないねー?』



『このダンジョンのモンスターって弱すぎるよねー?』



『ユニークモンスターもいるダンジョンなのにねー?』



『ボスだって弱すぎるよねー?』



『もっと続きがあっても良いよねー?』







………永遠と言ってくるので全てシカトしてやった。






でも分かるよ。またこのダンジョンには来るんだろ?知ってる知ってる。



『ぶーぶー!!ふん、もう良いよ!!


コボルトの力だったら壊せる筈だからやってみて!!』




分かりやすく機嫌悪いな。





スライム先生の話を聞きながら案内通りにやってくると行き止まりになりこの場所がどうやら隠し宝箱の場所らしい。

見た限りは他の壁と一緒に見えるが他よりも壁は脆く壊すことが可能だとのこと。







「………コボルトお願いして良いか?」



「うおん!!(任せてください!!)」



コボルトはそう言うと行き止まりの壁から距離を取り始めた。



『身体強化のスキルもキチンと使ってね!!』



「うおん!!うおん!!うおん!!(わかりました!先生!)」




スライム先生からコボルトは言われると身体強化のスキルを使ったのか体から湯気のような物が漂っている。



「うおおーん!!(とりゃー!!)」




コボルトはその掛け声と共に壁に体当たりする。








ドガガガガガガガンンンン!!!!




凄い音と共に壁が破壊された。





「おぉ………これが隠し宝箱か。」




壁を壊した中には1つの宝箱が置いてあった。


その宝箱は鉄で出来ていて立派な作りになっている。どことなくオーラが見える気までしてくる。



「冒険者のヨウツーバーが宝箱を開ける動画とか見たことあるけどそれよりも立派な宝箱だな。」



ダンジョンで見つける宝箱は基本木の宝箱が多く、某有名サイトの冒険者動画ではこんな立派な宝箱は見たことがない。




『オンリーウエポンの宝箱は普通よりも豪華なんだよ!ぷんぷん!』



………とスライム先生は言っていた。まだ怒ってるよ。






「………なんにせよさっそく宝箱を開けるか!!」




宝箱にも罠がある場合もあるのでそう簡単には宝箱を見つけても空けてはならない。触った瞬間に毒ガスや矢が飛んで来ることもあるらしいし。


だけど、この宝箱は何も罠がないとのことなのですぐさま空けていく。




「これは………指輪か?」



宝箱を空けるとソコには青い小さな指輪が入っていた。



それを手にもち観察する。見た目は何処にでも安く売ってそうなシルバーの指輪だが青く輝いてる宝石が付いている。


その宝石の中は青く靄のような物が動いていた。




「これは何の指輪だろうな?【鑑定紙】も一枚は買っておけば良かったな。」




鑑定系の能力がない人必見のマジックアイテムが【鑑定紙】だ。


その紙があれば大体のアイテムならどんなアイテムが分かるという便利アイテムの1つだ。



便利アイテムは【錬金術系】や【アイテム作成系】のスキル持ちが作るマジックアイテムだ。



本当は普及率の高いアイテムも中々高額だが知り合いの1人に【錬金術系】のスキル持ちがいるので友達価格の格安で手に入る。



「帰ったら一枚融通してもらおう。でもこの指輪なんだろうな………気になる。」






低ランクのダンジョンだとしてもレアなオンリーウエポンが発見されたことも多々ある。


しかも見るからに普通の指輪には見えないしレアなアイテムなら嬉しいな。




『その指輪はねー!【氷魔法の指輪】だよー!ぷんぷん!』





するとスライム先生が手に入れたアイテムが何のアイテムか教えてくれた。流石何でも知ってるスライム先生だ。




「おお………ってマジで!?これ【マジックリング】かよ!?しかも氷魔法!!」




マジックリングとは付けてるだけでその指輪によってスキルが使えるようになる激レアなアイテムだ。



【○○の指輪】装着している間○○のスキルを使用することができる。




こういった内容のマジックアイテムで俺が手に入れた【氷魔法の指輪】なら………







【氷魔法の指輪】

装着している間氷魔法のスキルを使用することができる。



こうなるわけだ。



マジックリングシリーズとは超レアな人気のあるアイテムだ。


とても人気のあるマジックアイテムでオンリーウエポンじゃなくても稀に宝箱から発見されることはある。




それでも能力が強いので買うのであれば何千万とかするような激レアなアイテムなんだけど………






「こんな簡単に激レアなアイテムまで手に入れられるなんて………一生分の運でも使っちゃったような気がする。」






チュートリアルダンジョンに行ってから激レアなスキルを沢山手に入れてスライム先生のようなチートモンスターまでテイム出来て………そして激レアなマジックアイテムまで手に入れるなんて………





明日死んじゃうんじゃないか?







『オンリーウエポンも見つけたんだから早くボスの所に行こーよー!!ぷんぷん!!指輪もちゃんとつけるんだよー!!ぷんぷん!!』





「あ、ああ!そうだな!」





ボーッとしてしまったがスライム先生の言葉で動きだした。



今手に入れた【氷魔法の指輪】もキチンと右手の人差し指に嵌め込む。




すると指輪のサイズは俺の指に綺麗に嵌まるように大きさが変化した。









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