緑陰
大切にしていた瓶が割れた。半分は光って消え、半分は地面に沈んだけれど、一片だけ私の影に入り込んだ。そのせいで境界を歩く私たちのバランスは少しだけ崩れる。彼は私の手を取った。日向の彼の体温で影のガラスは溶けて消えたけれど、私の心に焼き付いた印はずっと残った。
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