第27話 目標は高く
叶えてやろうぜ、って言ったけれど、俺の腕が動くかまだ分からなかった。リハビリには時間がかかる。叶汰だって中学以来野球をやっていなかったのだから、そのブランクは大きい。
「なあ、世界一のバッテリーになるなんてほんとに出来るのかな、」
俺はふと呟いた。
「まあ難しいことではあるだろ」
「そうだよな…」
すると叶汰ははぁっと大きくため息をついた。
「あのなぁ、そもそも夢ってのはな、簡単に叶うもんじゃねーんだよ。人より百倍の努力して、苦しくても踏ん張って、それでやっと叶えられるから叶った時嬉しいんだよ。誰も『飯を食う』なんて目標たてねーだろ? 簡単に叶っちゃ面白くねーからだよ。なんだよ陽介、お前は人百倍の努力が出来ねーのか?」
叶汰は俺を挑発するような眼差しで見つめた。
「人百倍でも一億倍でも努力してやるよ!」
「すぐくたばんじゃねーぞ?」
「叶汰もな!」
俺らは晴れ渡る空の下、手を取り合った。いつか叶えてやる。絶対叶えてやるんだってそう思った。
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